コラム・エッセイ
持続可能?
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子コロナに明け、コロナに暮れ、翻弄されて2年目が過ぎようとしている。訳が分からぬうちに突然収まりかけ安堵の胸をなで下ろしたのも束の間、オミクロン株なる変異種が現われ、遠からず世界を席巻する勢いで広がりつつある。
日本でも必死に水際対策に取組んでいるが防ぎきれないのは目に見えていて、しばらくは人の心も落ち着かず、経済活動への影響も続くだろうが、ワクチン・治療薬の開発で対策が進み、脅威もいつかはインフルエンザ並になり、“ウィズ・コロナ”を文字通りに受け取ることが出来るようになるだろう。そしてその次に話題の本番に現われるのはやはり地球温暖化防止にまつわる動きに違いない。
近年持続する平均気温の上昇が人間の活動に伴う温室効果ガス排出量増加に原因があり、その主役が二酸化炭素ガスだということで、発生源となる化石燃料の使用を制限することに世界中が舵を切った。
二酸化炭素ガスの温室効果が地球温暖化に繋がることを50年以上前に証明した真鍋博士がノーベル賞を受賞し、二酸化炭素犯人説がお墨付きを得たのだが、犯人が一人と決められたわけではなく、二酸化炭素排出量が削減されれば温暖化が収まるのか、疑問は残る。
それでもひとたび動き始めた流れは止まることはなく、化石燃料から自然エネルギーへのエネルギー源転換は強力に進められることだろう。
我が家の屋根にも20年近く前から太陽光パネルが発電を続けているし、車窓から見る家々の屋根にもパネル設置が目立つようになっている。全く元は取れていないものの、ささやかながらも化石燃料使用削減に貢献している気持ちは心地よいものではあるが、休耕地や山肌を真っ黒いパネルが覆い尽くす光景が次第に広がってゆくのを見ると、不気味な気持ちも湧いてくる。
さらに世界各地で、信じられないほどの広さで陸地ばかりでなく海面にまで太陽光パネルが敷き詰められている光景の写真を見ると、これが本当に持続可能なエネルギー源転換になるのだろうかと思えてくる。効率も悪く、発電量の調節も容易でない自然エネルギー源で化石燃料を置き換えようとするとどの位の地球表面を覆わなければならないのだろう。
そしてそれが地球環境に影響を与えないと言えるのだろうか、また、それだけのパネルを製造/廃棄する段階で二酸化炭素発生は全くないと言えるのだろうか。そんな疑問が次々湧いてくるが、安心できる答は聞こえてこない。
二酸化炭素の発生さえ抑えれば温暖化問題は解決と思い込まされて、利益追求人達の欲望充足に協力し、後悔と怒りを味わうことにならなければいいがと案じている。
(カナダ友好協会代表)
