2026年05月02日(土)

コラム・エッセイ

賓客来訪

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 若者自立相談窓口、略して「若まど」というのが新しく始まった事業の名称で、高校を中退したあと進路を決められないでいる若者にアドバイスし、情報を提供し、自分で進路を決められるように相談相手になる。隣県で創設されたこの事業に携わることになり、9月初めの開所式を経て、活動開始となった。

 臨床心理士、社会福祉士元教師、キャリアコンサルタント、それに法務博士とさまざまな資格・経歴を持つ総勢10人のスタッフでシフトを組み、毎日2、3人が駐在する小さな職場だが、新規事業特有の第1期生の気概に燃えて、期待に応えられる相談相手になれるよう、資料整備や相談対応技術の向上に励んでいる。

 郊外電車の駅近くの雑居ビル2階の1室に、来所相談、電話相談のコーナーと小さな会議スペースを備えたこじんまりとした施設で、午前10時から午後7時まで窓口を開いている。

 この事業には我がつれ合いも参加していて、週に1度、はるばる山口から通っている。ちょうどその出勤日に当たっていたある日の昼過ぎ、県庁の所轄課から電話がかかってきたそうだ。

 「あと20分ばかり後に知事がそちらに立ち寄られます」

 「えっ、何のために」

 「新規事業視察の一環ということです」

 折悪しく業務の責任者は外勤で不在。その日勤務のもう1人の相談員とで迎えることになったが、何の準備もしていないから、頭の中にため込んだ資料だけでの応対となる。

 こんなこと急に言ってこないでよと思う間もなく、階段をコツコツと上る靴音がして、ダークスーツの紳士が現れた。

 1人従っていたのはどうやら公用車の運転手だったようで、知事1人での来訪だった。あいさつもそこそこに、お茶を出すのも忘れて手短かに状況を報告し、来訪への感謝を伝えると、精悍(せいかん)な面立ちに笑みをたたえながら快活な語調で幾つかの所感を述べられた。

 1カ月前にスタートし、開所の様子はテレビ や新聞でも報じられ、何よりも県の事業だから、知事が承知なのは当然だろうが、多忙な中でこの小さな事業にも明確な見解を持ち、的確な指摘をされたことに感心したと、これはつれ合い殿の事後報告の言葉だった。

 ほんの10分ばかりの短い視察だったが、何よりも突然に1人で来られたことは、現場視察を、セレモニーでなく普段の雰囲気の中で自分の目で確かめたいという気持ちが現場にも伝わってきて、こちらも気分爽快だったと語っていた。

 私も早くお会いする機会を得たいと願っている。

(カナダ友好協会代表)

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