コラム・エッセイ
週末台風
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子全く、どうなっているんだろう。秋になっても一向に下がらぬ海水温のもと、水蒸気をたっぷりと抱え込んでエネルギー満タン状態で超大型に発達した台風が、西に向かって進みながら突如右折北上し、次々と日本へ向かってくる。しかも意地悪く週末に。
夏の集中豪雨でストップした山陽本線の運行がようやく再開されたとほっとしたのもつかの間、台風22号、24号のダブルパンチでまた一部運休となった。そこへまたまた25号。もう勘弁してほしいとうんざりするほどだ。
9月末までで25個の台風発生はいかにも多い。今年中には30を超す勢いで、さてはこれも地球温暖化に伴う異常気象かと思ったが、数だけ見ればそうとは言えない。
確かに、ここ10年の発生数を見ると、今年はどうやら最多のレベルになりそうだが、さかのぼって調べると、記録のある1951年以降ではおそらく10位以下で、1967年の発生数は、何と39。記憶に新しい年の範囲では多いのと、日本への上陸数が多いのとで、年々増加しているように感じてしまうのだろう。
自然災害のあと「こんなことはこれまで経験したことがない」という声をよく聞くが、人の記憶というものは必ずしも正確とは言えないものだ。
さて、このところ週末の客のように毎週訪れた台風、幸い雨風の被害は免れているのだが、我が家への影響は甚大だ。
というのは、まずは9月末の24号。亡くなった息子の研究仲間だったNさんを大阪から迎えて将来計画や研究助成のことなど打ち合わせする予定だったが、24号襲来で交通網が途絶え、中止。
仕方なく1週間ずらした10月の第1週。24号の後を追うように発生した25号がまたもや西進右折北上のパターンでやって来た。 幸い本土直撃とはならなかったが、1986年の山陰本線余部鉄橋事故以来、強風下の運行に極めて慎重な鉄道会社は、現実の雨風とは直接には関わりなく気象予報で早めに運休判断するから、2週続けての会談お流れとなった。
少々風は強かったが雨も降らず、日差しも明るかった当日の空を仰ぎながら、何とかならなかったのかと少々うらめしくも思ったが、取り返しのつかない事故を避けるためには納得せざるを得ない判断だ。
会談は月末へと再度延期したが、過去の記録では12月に発生した台風もある。記録更新などは望まないから、どうか今年はもう打ち止めにしていただきたいと願っている。
(カナダ友好協会代表)
