2026年05月02日(土)

コラム・エッセイ

悪行は厳罰に

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 世の動きはめまぐるしく変わり、この項が載るころには、状況は変化しているかもしれないが、このところ連日、紙面・画面を占有している感があるのが、米朝首脳会談をめぐる駆け引きの応酬、アメリカンフットボールでの危険プレーをめぐる虚実入り乱れた展開。

 この二つの話題で明け暮れ、チャンネルのどこかでいつも報じられている。確かに多くの関心を集めやすい内容と展開だから、成り行きに応じて、自分なりのコメントをつけながら批評するには格好の話題ではあるのだが、そのいずれも自分に直接関わるものではない。

 一方、この二つの話題に世の関心が集中している間に、政治の世界では、私たちの身に直接関わる、とんでもないことが進行している。本当なら連日、紙面・画面を独占して報じられ、関心を持たれなければならないことが、二つの事件の間ですっかり影薄く扱われているのだ。

 「もり・かけ」問題にまつわり、次から次と暴露される文書の数々。事実を記録した公文書を「ありません」と言い張った答弁に合わせるために廃棄したり、それがどこからか復元されて出てきたり。「会った記憶がありません」という強弁を覆す文書が次々と明らかになっている。

 国政を担う行政官僚が自分たちの好き放題に公文書を扱い、国会を、国民を欺き、行政をねじ曲げている実態が、うんざりするほどに露呈している。

 連日の国会での追及に「内外の重要課題山積の中で、いつまでもこの問題を引きずるべきではない」という声もあるが、本当の問題は、もはや8億円の不可解値引きやお友達優遇疑惑から離れたところにある。

 国民の監視の目がなければ事実までも隠蔽・変更して自分たちの都合のよいように政治をし、その結果は国民の生活に将来、直接関わってくるのだから、もり・かけ問題への興味のあるなしだけで取り扱うべきものではない。

 そして、関心を持ち、何が起こっているのかに厳しく監視の目を注ぐことは、その結果が支持率や得票数として反映され、政権に鉄槌を下すこともできる。

 それにしても、公文書を好き勝手に扱うというこの悪行。結局は誰も明確な責任を問われることなくうやむやなままにふたをされそうな気配濃厚で、このままでは仮に政権に鉄槌を下すことができたとしても、官僚たちは場面を変えて同じことを繰り返すだろう。罰する法がないから罪に問えないというのだから。

 公務員は過ちを犯さないという前提で成り立っているらしい官僚規制の法律は、庶民の常識に従って、悪行は厳罰に処せられるというものに早急に改める必要がある。

(カナダ友好協会代表)

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