2026年05月02日(土)

コラム・エッセイ

忘れてはならない日

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 「日本人として忘れてはならない四つの日」…今上天皇が皇太子時代に挙げられたのは8月15日、8月9日、8月6日、そして6月23日で、それぞれ太平洋戦争終戦の日、長崎原爆投下の日、広島原爆投下の日、そして沖縄戦終結の日。

 300万人以上の日本国民の命が失われた前の大戦、14万人の市民の命を奪った長崎原爆、24万人が犠牲となった広島原爆。そして大戦末期、日本国土での初めての地上戦となり、死者20万人と言われる沖縄戦。

 国民のために祈ることを務めとしておられるという天皇にとって、この四つの日は忘れてはならない祈りの日と強く心に刻まれているのだろう。その思いはぜひ共有し、自分にとっても忘れられない祈りの日として、いつまでも記憶に残しておきたいと思う。

 しかし、今生きている日本人として忘れてはならない日となると、さらに大切な日がある。5月3日の憲法記念日。

 日本国憲法が施行された1947年5月3日を記念して国民の祝日となっているが、以来70年、今では4月末から始まるゴールデンウイークの中の一日というくらいの認識で受け止められていることが多いようだ。

 この日の大切さを余り意識することなく連休が楽しまれることは、平和の具現であり、この憲法が目指した姿なのかもしれないが、休日が少ないから、増やしておこうといった動機で制定されたように思えるいくつかの祝日とは、意義も大切さも格段に異なるように思うし、伝統的な行事や意義深い日を共に祝うというのとも一線を画した特別な日だと思う。

 今、私たちは(法を犯さない限り)行動の自由を保証されている。これでいいのかと思うくらいの権利も認められて、束縛の少ない生活を送ることが出来ている。しかしこの自由は、それを保証する法律があるからであって、法が変われば一瞬にして奪われるものだ。

 意に従わぬ者の行動の自由を制限する法体制を作ることに常に虎視眈々(こしたんたん)の権力者に対して、それを防ぐ最後の砦(とりで)となっているのが憲法。その憲法をより良いものにするために見直すのは必要なことだ。このところの声高な憲法改訂議論もその一つだとは言えるだろう。

 しかし、誰が、どのような意図で、どのように変えようとしているのかを知った上で議論に加わらなければ、大切なものを次々に失って、愚かな歴史を繰り返すことになりかねない。

 そのことを自覚する上でも、多くの命の犠牲の上に得られた、今日の自由を保証している憲法の施行を記念するこの日は、日本人が決して忘れてはならない、大切な日だと思う。

(カナダ友好協会代表)

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
出光興産

出光興産徳山事業所は、エネルギーと素材の安定供給を通じて産業や暮らしを支えています。環境負荷低減や安全操業に取り組み、地域とともに持続可能な社会の実現に貢献していきます。

スバル合同会計 周南事務所

相続時や建物の購入売却時の相続税・資産税のご相談。
大切に育てた事業の譲渡や事業の拡大にむけて、複数の専門業者との提携で、お客さまの求める結果を一緒に目指します。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

山田石油株式会社

ソロや友達と過ごす「おとなじかん」から、親子三世代で過ごす「かぞくじかん」も楽しめる日帰りレジャー施設「くだまつ健康パーク」。屋内で遊べる施設や岩盤浴、サウナも充実!