コラム・エッセイ
温暖化の「が」と「も」
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子つい先月まで、気温20度を超えると「今日は暖かい。春から初夏へのいい季節になった」と思ったが、5月を迎えると今日は夏日の25度、明日の予報は真夏日、他県のどこかでは何と猛暑日35度超えと言うことが珍しくなく、爽やかな5月の涼風を喜ぶいとまなく、梅雨から猛暑到来を予感させる雰囲気になっている。
もはや「平年に比べて××度高い」など意味がなく、これが平年の気温だと言わなければならなくなっている。この暑さなぜ?と問えば、誰に聞いても「地球温暖化」というのが今や世界の常識で、「では、なぜ地球は温暖化しているの」と更に問うと異口同音に「大気中の二酸化炭素が増え続けているから」と答えるのも常識になっている。
地球で生物が繁栄できるのは表面を空気が包んでいて寒暖差を和らげてくれているからと教わり、二酸化炭素は熱を逃がさない効果(温室効果)が大きいから、空気中の二酸化炭素の濃度が高まると気温は高くなる。人間の活動が広まるにつれ石炭石油の消費量が増え、二酸化炭素の排出量は増えてきた。
大気中の二酸化炭素の濃度は毎年確実に高まっている。だから、地球温暖化は二酸化炭素排出が原因だ。二酸化炭素排出を減らせ、化石燃料(石炭石油)を使うのを止めようと、世界中が文字通り官民挙げて二酸化炭素排出削減に向け突っ走っている。
それはいい。本当に正しい目的・目標なら全人類が知力・労力・財力を傾けて取組めば二酸化炭素排出を限りなく削減できる世界が実現するだろう。でも、それで地球温暖化は防げるのかと考えると、疑問ばかりが浮かんでくる。二酸化炭素が温室効果ガスで温暖化を起こすことは間違いないようだ。
日本人研究者がそれを証明してノーベル賞を受賞した。しかし、地球温暖化は二酸化炭素の排出量増大「が」原因だから二酸化炭素の排出を削減すれば温暖化は防げる、と思い込むことはおかしい。温室効果ガスの増大は温暖化を起こす。
だが、温暖化は温室効果ガスだけ「が」原因で起こるのではない。温室効果ガス「も」原因でおこるし、二酸化炭素だけ「が」温室効果ガスではなく、二酸化炭素「も」温室効果ガスだということなので、至上命令として社会の仕組みを変えてでも成し遂げて、その結果温暖化防止が達成されるか、どこにも保証はない。
大気汚染、海洋汚染、人間の生存を危うくさせる問題はいくつもあるのに政治、産業挙げて二酸化炭素排出削減に集中するのは、そこに問題解決があるからではなく、そこに金の流れが見えるからではないかと疑ってしまうのは、物事を純粋に見られない貧しい心のせいなのだろうか。
40年前ばかり前、環境保全が世界の注目を集めだした頃「環境は儲かる」と言った某社長の声が今も耳の奥に残っている。
(カナダ友好協会代表)
