コラム・エッセイ
気力・体力 体力・気力
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子人生とは何か?深刻さの程度は異なっても、誰しも一度ならず自問自答のテーマになってきただろう。
それはこの世に生まれて別れを告げるまでの時間を過ごすことで、その時々の状態が人と自分とで異なっているから、自分の人生を意識することになる。自分の状態は自分が行動することで変わるものだから、結局人生とは自分の状態を行動によって変化させながら時間を過ごすということだ。
寝ることだって、疲れた体を休ませるために睡眠という行動をとって生じた状態だ。それから起床、食事、仕事、学習、散歩、様々な行動をとって時間を過ごす。
では、行動はどのようにして起こるのか。行動には体を動かすから体力が必要だ。だが、体力だけでは行動できない。何をするのか、目的と目標が要る。それは自分が持つ情報で組立てられる。周囲の情報を取捨選択して目標を決め、そちらに向かって行動する。空腹の時は今はこれを食べたい、それなら冷蔵庫のこれとこれを使って作ればいい、同じものならあそこのコンビニでも売っている、いや、しばらくは我慢しても大丈夫などと目標を定め行動が始まる。
情報を取捨選択し行動を起こさせるのはその時の自分の意志の力(気力)だ。体力で支えられた体を気力が選んだ目標に向かって、同じ気力が行動させる。
毎日の習慣的な場面でも、困難な課題に立ち向かう場面でも皆同じ手順で行動と状態変化が起こることを考えると、一番大事なものは気力だと言えそうだが、そうはならないのは、気力は独り立ちはできないからだ。
行動のための目的と目標を得るために情報を選択するのはその時の気力(意志の力)だが、この気力は体調によって大いに変わる。体調が良いときは気分良くポジティブ思考をとれるが、悪いと動くこともおっくうでネガティブ思考になりやすい。
ポジティブ思考とネガティブ思考とで、選択する情報が異なり、行動が異なってくるのは当然のこと。自分の状態を変えるには先ず行動が必要だが、行動につながる選択に自分の意志を持つためには、ポジティブ思考が出来る状態にあることが望ましく、そのためには体調を良好に保っていることが必要なのだ。
ひきこもりや長期無業状態にある若者達が自分の状態に満足していることはなく、この状態を何とかしたいと望んでいるのだが、そのためにどうすればいいのか分からず、自ら行動することが出来ないでいることが多い。それぞれが適切な行動に結びつくためにどんな情報が、どんな選択が必要なのかはすぐには正答が得られないかもしれない。
しかし、少なくとも行動を起こす意志を生むためには体調良好が必要なことは間違いない。状態変化を求めながら行動できないでいる人たちには、今、あなたに必要なことは、今日も明日も、何よりも健康第一に、元気に過ごせるよう努めることだと、一人一人に伝えたいと思う。
(カナダ友好協会代表)
