コラム・エッセイ
荒天船出
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子令和6年新年の幕開け、今年もよろしくお願いします。
当たり前なら「明けましておめでとうございます」のあいさつが先だろうが、新年早々の大地震と大事故発生で、おめでとうございますとはスムーズに言えない年明けになっている。
新型コロナウィルス感染症禍も感染症分類の5類移行で、気分的には終息感が広がったが、危険な状況が収まったわけではなく、国内外の政治経済自然環境様々な分野での問題も、解決の見通しのつかないままに持ち越されていて、その上に災害・事故とまさに泣き面に蜂状態で、前途洋々の船旅の出発とは到底言えず、荒天下の前途多難な船出の様相を帯びた新年となっている。そんな中でも新年と言えば思いを巡らすのが新年の計。
子どもから大人、若者から老人、様々な分野で活動する様々な人が、自分の場所から今年の活動への抱負を語り、目指す変化への自分の思いを訴えるのを見聞きすることは、その結果を知ることとは別に、爽やかな心地よさを味わう機会になる。
市議会での市政を巡っての議員との応酬がYou Tube上で名を馳せているA市の若いI市長が若者達に呼びかけた「いのちと時間を大切に」という言葉はまさにその通り、あなたもそう自分にも呼びかけながら頑張ってねとエールを送りたい場面だった。
同じ年頭には、広い分野の広い世代からの参加者が自分の思いを遠慮なくぶつけ合うことで知られた深夜番組をたまたま目にし、若い元気のいい女性が自分の政治主張を参加している議員達にぶつけているのを聞いた。彼女の言い分は、成人年齢を18才にしておいて、若者の投票率が低い、政治への参加意識が低いと批判するのはおかしい。
若者の政治参加を求めるのなら、被選挙権も保障して、議員立候補年齢を18才まで引き下げるべきだ、その上で投票率の低さ、政治参加意識の乏しさを問題視すべきだというのが主張の趣旨だった。一見(一聞)もっともな言い分に思えたが、でも何か違和感を感じたのは世代の違いのせいなのだろうか。彼女は自分が思う政治参加は現在の制度では出来ない。
だから出来るように制度を変えろという要求なのだが、番組に参加していた議員達がそれを叶える制度につながる法を作る気は微塵も感じられなかったから、いくら怒りを込めて主張しても実現は遠いと感じた。彼女が主張すべきだったのは、自分はこれから同じ世代の若者に投票を促す行動を起こし、自分の主張を叶える制度を作る議員の数を増やすことに全力を挙げ、その力で政治を動かすと宣言し、現議員達に圧力と緊張を与えることだと思う。
自分の望ましい状態を実現するためには何をすれば良いかを考えて定め、そのために今やるべきことを、出来ることの中から確実に行う。超人的な成果を次々に実現して見せてくれたオオタニさんが示してくれた取組み方を、志ある多くの若者が自分のものとして身につけ、それぞれの思いの実現に取組んでくれたらと願った令和6年新年年頭。
(カナダ友好協会代表)
