コラム・エッセイ
青天の霹靂(Ⅱ)
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子丁度2年前。我家に襲来した青天のへきれき。わがつれ合いの突然の脳梗塞発症。何の心構えも予兆もなく、どうすればよいのか分からない状態での出来事だから、全ての日常も将来も崩壊するところだったが、奇跡的な幸運が重なり、日常も将来も変わらないように(今のところ)見える毎日を過ごしている。
我家を襲った霹靂(激しい雷鳴)は大きな不安を残しはしたが、結果的には洗濯物の取り入れに走らせる通り雨に終わった。普通はこんなに運良くは経過しないだろう。青天のへきれきに見舞われた時どうなるか。
綿密に一刻もゆるがせにしない人生設計をしていたなら、へきれきに見舞われ取り乱している間は全ての計画はキャンセル・リセット状態になり、計画の立て直しの気力まで失われてしまうかもしれない。かなり大まかな計画だったら、改めて計画表を見直して、これはあちらに、それはここにと中身や順番を入れ替えて、先ず健康回復に専念して、もう一度作り直すこともやりやすいだろうし、そもそも計画などなければ、出来ることを一つ一つやりながら時を過ごすことになるだろう。
我家の場合は、幸いそれぞれ、自分の体は自分で動かせる状態を保てているから、突然の雷鳴に一同びっくりはしたが、今ではそれぞれが今の状態を基に、それぞれの思いのままに過ごせていて、青天のへきれきもひとまず収まりとなっている。
そんな時、世界の空に突然鳴り響き、日本を覆ったキックバック裏金の喧噪も、ウクライナ、ガザの戦争さえ一時は忘れさせる雷鳴となったのが翔平/一平事件。人と人を結ぶ絆でこれほど深い信頼で結ばれたものはないだろうと2人を知る全ての人が信じ切っていたような関係が一瞬のうちに断ち切られ崩壊するのを目の当たりにした。
その瞬間はまさに全人類にとっての青天のへきれきとも言えるものだった。一体何がどうなってこうなったのか。当事者以外には分からず、これから事実が明らかになるにしたがって更にへきれきの襲来となるのかもしれないが、あの瞬間ほどの衝撃にはならないだろう。
このへきれき、多くの庶民にとっては「びっくりしたね」と語り継がれる1つの出来事に過ぎないのだが、当事者のオータニさんにとってどんな作用を及ぼすのだろう。彼が綿密な目標達成チャートを作っていることは有名な話だが、そこに響いたこの雷鳴は彼のチャートにどんな影響を与えるのだろう。
文字通り「ひとごと」だが、気にかかる。事件発覚後の試合にも常と変わらぬ様子で登場し、きちんと結果も出しているから、少なくとも雷鳴に乱されることなく行動できる制御力は保たれているようで、これまでの彼への評価と信頼が改めて確かめられた思いがする。決して平静であるはずはないのだがこのへきれきにかき乱されることなく、素敵な伴侶と共に新しいチャートを完成させて欲しいと思う。
(カナダ友好協会代表)
