2026年06月24日(水)

コラム・エッセイ

新年の願い

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 新年明けましておめでとうございます。

 年頭の紙面特別企画と振替休日で月曜日コラムでの年始ご挨拶は毎年遅くなりますが、本年もよろしくお願いします。

 1年前の新年は能登の大地震で始まった。今年は地震災害はなく年が明け、まずはほっとと思ったが、想定外の豪雪。軒を超え道を塞ぐ除きようのない積雪は、現地の皆さんにとっては地震津波と変わらない災害で、一面銀世界は日本の冬の風物詩などの表現は聞くだに腹立つ思いのことだろうが、人の力の遠く及ばぬ自然の脅威には、神様どうかお手柔らかにとひたすら祈るばかり。

 さて、2025年。昭和で数えれば100年目、戦後80年の年頭に何を願い何を祈ろうか。せめてこの時は邪念を捨て、私利私欲を離れた厳粛な気持ちに心を入れ替えて世界平和を願い祈ろうかと思っても、今起こっている、平和とほど遠い現実を一転させることは自然災害皆無への願いと同じレベルの叶わぬ望みになっていると思い至り、厳粛な気持ちは解け去って、我が身可愛い願いへ思いを馳せることになる。

 そんな時目にした新春番組で新しい年に日本が目指すべき目標が日本実社会のリーダーと目される人が語っていた。

 その人が断言した日本の目標は「生産性の向上」だそうだ。失われた30年の間に、かつて「アズ ナンバーワン」と言われ、世界第2の経済大国だった日本は、今や韓国の後塵を拝するほどの中流経済力に陥っている。

 国民が豊かさを実感できる経済力を回復するためには労働生産性を向上させるしかないと力説し、聞き手もなるほどと頷いていた。生産性の向上か。同じ事を短時間〔少ない費用〕で出来る、同じ時間〔費用〕で多くのことを出来る。悪いはずはない。

 だが、日本の惨状は本当に低労働生産性が原因なのか。そうは思えない。日本の持っていたいいところを捨て、為すべき事をしてこなかったことの方に原因があるように思えてならない。そうなったのは、そのように社会の仕組みがなってしまったからだ。

 社会のあるべき仕組みを考えその仕組みの実現に必要な法律を作るのは政治の役目、政治の仕事。仕組みを考え必要な法を作るのが政治の仕事だから、その仕事の生産性はいくら高くてもいい。費用(報酬)は十分に支払われているのだから。失われた30年も、現在の体たらくも、国民の労働生産性の低さを理由には出来ない。政治の低生産性こそ問われるべきで、今からでも掲げられるべき日本国の目標は「政治の生産性向上」だと確信する。

 我ら庶民の掲げる目標は今年も「健康第一、元気に長生き」に尽きる。

(カナダ友好協会代表)

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