2026年04月30日(木)

コラム・エッセイ

80-50の行方

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 昨日は総選挙投票日。

 どこかの候補が万歳を叫び、他方は肩を落としてうなだれ、目的の勢力を確保した政党は「公約?表紙に書いてあるものはどこも同じようなものだったから、権力を握った後は裏に書いておいた『やりたいこと』を遠慮なくやるだけだ」と変身し「そんなこと約束してないよ」の声は耳に入れず数の力が民主主義だと、自制も他制も働かない政治が続けられそうな予感がする一方で、政治課題は山積みの状態は変わらない。

 その中でも少子化問題は大きなもので、出生数がとうとう70万人を切ったと報じられ、あと何十年後かには人口は半減、地方自治体の多くが消滅すると、深刻さが伝えられている。それは大変な問題なのだが、同じくらいの大問題が進行中であることを知って欲しい。

 全国で146万人と発表されたひきこもり者。人口減少が伝えられる中でも減る傾向のない、これだけの人が社会活動に繋がらないでいる。社会を支える活動の中心になる年齢の人たちのうちこれだけの数だ。出生数が70万人から60万人台になったよりも大問題だろう。

 病気や怪我なら大抵は数日から数カ月で回復し、活動に戻ることが出来るが、ひきこもり状態は数年から十年以上にも及び、本人も見守る家族も高齢化していく。親世代が定年を迎える60代になり、当人が30代となっている状態が社会問題となり、60-30問題と言われた。それが70-40となり、今では80-50問題と言われているが、状態が改善されている訳ではなく、このままでは遠からず90-60と言われそうだが、そうはいかない。

 長寿国日本では80超えても健在は普通のことだから、当人が50歳で親が80歳は平均的に成立する。しかし90-60は?50歳の当人は10年経てば60歳となる。しかし、親は?90歳でも健在だろうか?

 これからも続くひきこもり者の高齢化問題は80-50の次は90-60問題ではなく、60問題だというのが関係者、研究者の問題意識となっている。この問題にどう向き合うのか。少子化問題以上の関心と覚悟で取組むべき問題ではないか。

 146万票。家族も含めれば300万票以上にもなるかもしれない大票田が目の前にある。この課題の解決こそは我が党の重要政策と考え取組む政権が現れてもいいのではないか。放置すれば60問題は70、80問題へと継続し、次々と蓄積されて手に負えなくなる。

 大切なことは増え続ける80-50、70-40、60-30、50-20問題が起こらぬようにすること。ひきこもりという状態が起こらないよう予防することを不登校問題も含めて進めること。それを果たすことは、ひいては、外国人の労働力に頼らねばならないほどの深刻な人手不足問題の解消にもつながるだろう。

 目覚めよ!目前の議席数獲得ばかりに政治生命とエネルギーを費やす選良諸兄。

(カナダ友好協会代表)

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