コラム・エッセイ
第一話 社会福祉ってなんだろう?
福祉のチカラ ~幸せのありかた~そもそも社会福祉とは何でしょう。漢字を分解してみると、「社会」=人々の集まり=「みんな」です。「福祉」はどうでしょうか。福祉の「福」を使う熟語には「幸福」「福袋」などがあり、「しあわせ」を表します。では「祉」の字はどうでしょう。この字を使う熟語や単語は「福祉」以外に思い浮かばないですよね。「祉い」は「さいわい」と読みます。ネ(しめすへん)には神をしめす意味もあることから、神が止まる(とどまる)と書く「祉」にも「しあわせ」の意味が含まれているのです。つまり「祉」もしあわせの意味。あわせると「福祉」=しあわせ、「社会福祉」=「みんなのしあわせ」ということになるのです。みんなが幸せを目指すにはさまざまな困難や、課題があります。その原因を見つけ、克服するための専門職、とりわけ生きる上での困難・生きづらさの多い高齢者、障がい者、子ども、生活に困窮している人たちにアプローチするのが、社会福祉士というものなのです。
社会福祉を害する一つが災害です。近年、世界中で異常気象にともなう自然災害が発生しています。被災規模は大小さまざまですが、少子高齢化による地域の繋がりの軽薄化が拍車をかけ、物的被害に増して人的被害の増大してしまう現状が残念ながらあるのです。結果、特に社会的弱者とされる高齢者、障がい者、子どもたちへの支援の重大性は増す一方です。
平成7年1月17日に起きた阪神淡路大震災は6千数百人の尊い命を犠牲にすることになりました。当時私は大学3年生でした。大阪で生まれ幼少期まで育った私にとって、テレビに映る壊滅した神戸の街の様子は大きな衝撃でした。倒壊したビル、黒焦げた商店。「なにかできないか」「助けにいきたい」。
私の中に強く沸き起こったこの思いこそが「ボランティア」です。ボランティアとは無償の奉仕と思われていますが、正確には「志願」を意味する言葉。私はまさしくボランティア精神=志願して神戸へ行くことにしました。そしてこの経験が、私を福祉の道へ進ませる大きなきっかけになったのです。阪神淡路大震災はボランティア元年といわれ、わが国における災害支援の新たな始まりでした。そこに立ち会い体験した支援活動を元に、私が考える社会福祉について連載していきます。
社会福祉士 公認心理師 服部たかひろ
挿し絵 杉川茂
