2026年05月02日(土)

コラム・エッセイ

No.55 農村の希望(1)限界集落⑰ 四万十川中流の集落を訪ねて(十)

中須里山通信 形岡 瑛

 「古城椎茸研究会は、昭和48年に満州の体験からオンドル式の乾燥場を作った。薪を焚いて90%乾いて、最後の仕上げ乾燥に軽油を使う。」

 この最後の10%の乾燥が乾燥椎茸の品質を左右するそうである。

 「研究会は年1、2回の研修と年1度の総会。10年前には年1度旅行にも行っていた。高知県の乾燥椎茸品評会で上位を独占していた。一位になると1万5,000円/㎏の値が付く。」

 研究会の記録を見せて貰った。表紙は発足時のものが使われている。視察の記録のに中に、山口県椎茸生産組合の名もあった。

 「昭和60年頃まで椎茸専業だった。年間1tで400万円から500万円になった。採算ラインは4,500円/㎏、それが、一時、1,900円におちた。いまは、4,000円で年150万から160万程度だ」

 「最近の天候は良くない」と吉野さん。

 「(椎茸には)梅雨のしとしと雨が良かったが、今は温暖化で集中豪雨だ。昔は、冬、雪が30センチ積もっていた。台風が2、3度来ないと雨量が足らない。うちも3代目が居ない、(自分が)もう20年若かったら、椎茸ハウスを建てたい。ハウスにしてパイプを敷いて散水が出来る。」

 山に伏せたホダギの散水には200mもパイプを引かないといけないという。

 「最近、シカが増えている。イノシシはホダギを押し倒す程度だが、シカは椎茸、クヌギの新芽など食い尽くしてしまう」

 後継者がいない、価格の低下、気候変動、生産経費の増大、野生動物の被害、どこの農村も直面している困難だ。

古城地区の椎茸ハウス

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