2026年06月24日(水)

コラム・エッセイ

No.2 言葉② 

ねえ、ちょっと聞いてよ! 予備校講師 長谷純子

 こんにちは。今回も前回に引き続き、山口の言葉についてです。前回は「たわん」でしたが、今回は「しわい」です。

 30歳くらいのときに関西から戻り、徳山に住むようになって初めてこの「しわい」という言葉を耳にしました。最初にこの言葉を聞いたのは、徳山生まれの徳山育ち、徳山在住の、生粋の徳山人(←造語です)の方と話していたときです。食事をご一緒していたのですが、その方が「このお肉、『しわい』わ」と独り言のように洩らしたのです。肉が「シワい」? 「しわ」くちゃになったお肉? 初めて聞く言葉に私の脳裏には? マークが元気に行進します。

 意味を伺うと、筋張った肉や硬い肉に対して使う言葉だと。徳山特有の言い回しなのでしょうか。父は生粋の光市民でしたが、父からは聞かなかった気がします。光市の方はご存知でしたか? この言葉に馴染みがなかった私は、その後しばらくして、同じ方から「しわい人」という言葉を聞き、「しわい肉」の意味から「筋張った人?」と、鶏のように細長い首に筋が何本も浮かんだ人をイメージして困惑したこともありました。

 もちろん、このイメージは違いますよね。これに近い言葉は「渋い人」かと。金品を出し惜しみする人ですね。説明を受けて初めて知りました。

 また、話し終わりも県内で微妙に異なることに山口に帰ってきてから気づきました。関西に行った直後の私は、話終わりで「〜〜なんちゃ」という言い方をしていたらしいです。これは、関西の友人に「(漫画・アニメの『うる星やつら』に登場する)ラムちゃんみたいなしゃべり方やね」と指摘されたので覚えています。今でも徳山で耳にするので山口では普通だと思っていました。が、山口市生まれの山口市育ちの友人に「聞いて〜〜! 告るのに(告白するのに)緊張して思わず『あんたのこと好きそ』って方言丸出しで言っちゃった!」と泣きつかれたのです。方言丸出しだったから、きっと振られたんだ、と。 

 ――好き「そ」? 「そ」? 好き「なんちゃ」でなく、好き「そ」?

 頭の中では「そ」がぐるぐる回り、気になって仕方がないのですが、さめざめと泣く友人にはちょっと訊けません。普段、空気が読めないと評される私でもさすがに分かります。

 彼女を慰めるのが優先です。が、今だから紙面で謝れます。「そ」の言葉が気になって慰めの言葉が上滑りしていたかも。ごめんね。しかし、気になって別の山口市出身者に訊くと、話し終わりに「そ」をつけることもあると。この件でもやはり「山口の方言」として一括りに出来ないと実感したのでした。

 ちなみに、今の私は、イントネーションこそ関西の名残がありますが、自分では言葉はほぼ「標準語」を使っていると思っています。もっとも、県内の友人知人にこのことを言っても「えーーっ!」と盛大にブーイングされるのですが。

 ――言葉は難しいです。

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