2026年07月17日(金)

コラム・エッセイ

睦月(一)

随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)

  去年今年貫く棒の如きもの 

           高浜虚子

 大晦日から元日へ。午前零時を過ぎて一日の違いをこれほどまでに実感することはありません。年越しを「貫く棒の如きもの」と捉えた感覚に川端康成は心打たれたといいます。昭和25年の作。暦は令和4年から令和5年へ。よきことがありそうな穏やかなお正月でした。今年はどのような日々が待ち受けているのでしょう。

  初暦知らぬ月日の美しく  

           吉屋信子

 俳句を高浜虚子に学んだ作家吉屋信子の一句は新年の清々しい気分を言い得ています。暦を掛け替えながら口ずさみます。今年も百通を超える年賀状が届きました。ひとり一人の顔を思い浮かべて丁寧に読みます。

 東京の姉から「現状を日常とし、今年も元気で過ごしましょう」、名古屋の従兄から「年齢に勝てない事柄が増えてきました。一日一日を大切にと言う心境です」、同級生からは「昨年は歴史に残る激動の一年であり、今も続きそうですね。小生、ソコソコ元気で日々すごしています」(高知)、「ひとつぴょん ふたつぴょん みっつぴょ〜んと飛び跳ねてみたら違う景色が見えるかもしれませんね」(広島)、若い頃の新聞記者仲間は「暗いニュースばかり続く中『きっと大丈夫』と思いたい」(京都)、「社会貢献活動を続けておられることに敬服いたします」(広島)と綴ります。

 男声合唱団メールソレイネで一緒に歌った友人は「お元気ですか。ゴスペルを歌っています。昨年はコンサートに参加しました」(横浜)、高校PTA活動で意気投合したご夫妻から「いつも優しいお手紙。心が温かくなります。励ましていただき、感謝しています」(光)。周南文化協会でともに活動する仲間は「いつも『日日是好日』をねがっていますが、世の常とはいえ、矢鱈に難題が降りかかって来ます。でも前向き且つ愉快に過ごしたいと念じています」。

 心のこもった文章、手書きの一文字一文字からはその人の温もりが伝わってきます。私も百数十枚を差し出します。その人のことだけを思って万年筆で百字から二百字の一文を添えます。相手も齢を重ねていきます。日本舞踊を今も続ける幼なじみが「大切に、大事に楽しんで暮らしたい」と書いているように一日をいとおしむ感覚が分かります。

 6日の「寒の入り」とともに仕事も本格始動しました。季節の移ろい、人の温かさを感じながら自らの言葉と自らの足でしっかりと、ゆったりと今年も踏み出します。

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
出光興産

出光興産徳山事業所は、エネルギーと素材の安定供給を通じて産業や暮らしを支えています。環境負荷低減や安全操業に取り組み、地域とともに持続可能な社会の実現に貢献していきます。

東ソー

東ソーが生み出す多種多様な製品は、社会インフラや耐久消費財など人々の生活に役立つさまざまな最終製品に使われています。総合化学メーカーだからこそできる、化学の革新を通して持続可能な社会に貢献していきます。

サマンサジャパン

来院者の方へもっと目配り、気配りをしたい。物品の補充や搬送に時間を取られる・・・
サマンサジャパンでは医療従事者の方がより医療に専念できるよう、コンシェルジュ、受付、看護助手、清掃、設備など様々な業務を行っています。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!