2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

弥生(一)

随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)

 弥生、3月。光も風も和らぎます。卒業式の季節。高校を皮切りに中学校、小学校と卒業式が続きます。多くの思い出を胸に学び舎を旅立ちます。

 仰げば 尊し わが師の恩

 教えの庭にも はや 幾年

             ……

 明治17年(1884)の「小学唱歌集」に登場してから百年以上歌い継がれてきた「仰げば尊し」。私たちの世代には「蛍の光」とともに懐かしい歌です。

 白い光の中に 山なみは萌えて

 遥かな空の果てまでも

 君は飛び立つ

              ……

 最近の若い人は「旅立ちの日に」の歌声とともに巣立つことでしょう。この歌は平成3年(1991)「歌声の響く学校」をめざした埼玉県秩父市立影森中学校の校長が作詞、音楽教諭が作曲して生まれ、全国に広がりました。時代に合った歌が誕生、人々の心を捉えていきます。

 ユーミン(松任谷由実)の「卒業写真」や海援隊の「贈る言葉」、福山雅治の「桜坂」や森山直太朗の「さくら」、レミオロメンの「3月9日」を思い起こす世代もあるでしょう。春には華やぎと切なさが交錯します。切ないがゆえに歌が生まれます。出会いと別れ。新たな世界への旅立ちがそうさせるのかもしれません。

 この随想を書き始めたのは昨年7月。夏のさなかでした。やがて秋風が立ち、木々は紅葉し、小雪が舞って冬へと季節は移ろいました。随想のタイトルを「季節の中で」としたのは人生の折々に思い起こすのは歌とともにその中で季節を感じてきたからです。

 私の好きな歌の一つ、松山千春の「季節の中で」の歌詞もヒントになりました。

 うつむきかけた貴方の前を

 静かに時は流れ

 めぐるめぐる季節の中で

 貴方は何を見つけるだろう

             ……

 人生は自分探しの旅だと言われます。

 いろんな体験を通して学んでいきます。高校受験の「十五の春」、進学や就職で岐路に立たされる「十八の春」。大海原を前にして私も悩みました。初めての大きな試練かもしれません。経験が乏しいのですから無理もありません。その悩むことに意味があるのだと後年気づきました。苦しいときこそ力がつくことも。社会に出ればもっともっと試練が待ち受けています。

 もう一人の自分と対話しながら人生と向き合ってきました。齢を重ねて体力は衰えますが、生かされて生きてきたわが身を思い知ります。そこから自ずと「有り難い」と言う感謝の心が生まれます。

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
西京銀行

【取扱期間 2026年4月1日~2026年9月30日まで】お預け金額10万円以上。手続き不要!さいきょう定期預金の金利で満期後自動継続。詳細は西京銀行までお気軽にお問い合わせください。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

株式会社トクヤマ

トクヤマは、電子材料・ライフサイエンス・環境事業・化成品・セメントの各分野で、もっと幸せな未来をつくる価値創造型企業です。

山田石油株式会社

ソロや友達と過ごす「おとなじかん」から、親子三世代で過ごす「かぞくじかん」も楽しめる日帰りレジャー施設「くだまつ健康パーク」。屋内で遊べる施設や岩盤浴、サウナも充実!