2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

再び 長月(二)

随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)

 秋の彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。20日が彼岸の入り、23日が秋分の日、彼岸の中日。風と光は和らいで心地好いです。夜空を仰げば上弦の月に。29日は十五夜。月見茶会も催されます。

 月天心貧しき町を通りけり 蕪村

 懸命に生きている庶民は貧しいです。そんな庶民が暮らす町を月が照らします。どの屋根も庭も照らしてくれます。月下の人々に思いをめぐらせる寂寥感のある一句です。17日に児玉源太郎顕彰会の第7回「藤園忌俳句」表彰式と選者の久行保徳さん(「草炎」主宰)の記念講演があって、絵画と詩を一体化させた与謝蕪村の俳句の魅力とともにこの句も紹介されました。

 若い頃、NHK・中西龍アナウンサーの独特の語りが好きでよくラジオを聴きました。「月の光は、貧富の差もなくどの家も同じように光を届けてくれます」。中西アナの心根の優しさが表れる言葉が印象に残りました。以来、月を見上げながら様々な人生を投影するようになりました。

 舞踊に、音楽に人生を懸けてきた周南市出身の二人の女性。先日舞台を鑑賞しました。一人は清水美由紀さん。瀬戸静子バレエスタジオで鍛え、お茶の水女子大文教育学部舞踊教育学コース卒業後、文化庁在外研修員としてドイツで研修。現地のバレエ団に所属、今はフリーランスとして活躍中。大学の同窓生で舞踊家の山口華子さんに誘われて12日、東京・豊洲シビックセンターホールで森鷗外「舞姫」を披露。振付は山口華子さん。 

 人生は必ずしも自分の思い通りにはいきません。エリスの境涯に感化されて振り付けられたモダンダンス。アンセム・ウォンさんのピアノ演奏とともに展開する舞台に魅了されました。

 もう一人は内山優子さん。幼少の頃から桐朋学園子供のための音楽教室に通って才能を伸ばし、桐朋女子高校音楽科を卒業後、渡英。ギルド音楽院、アメリカのクリーブランド音楽院修士課程修了。ピッツバーグ交響楽団のヴァイオリニストとして活躍後、帰国して三重を拠点に活動中。16日に周南市文化会館で開催された周南フィルハーモニー第18回定期演奏会でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を共演。完成度の高い演奏、素晴らしい音色に心が充たされました。

 二人は家族と仲間に支えられて世界を舞台にその道を究めてきました。この30年、40年と果てしない挑戦を続ける二人に惜しみない拍手を送ります。

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