コラム・エッセイ
再び 師走(一)
随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)「師走」の言葉を感慨深く受け止めます。一年を締めくくる月。為果つ月という語源に独特の響きがあります。人それぞれにさまざまな思いが去来します。山々や街路樹を赤や黄色に染めた木々もすっかり冬木立に変わりました。7日は「大雪」。雪が本格的に降り出す頃です。
書店や文具店の店頭には新しい手帳や日記、暦が所狭しと並びます。その光景は季節を感じさせます。来年の予定が次々と入って書き込む手帳が欲しくなる頃です。今の時代はスマートフォンに予定を入れて行動する人も増えたことでしょう。古希を過ぎた私はやはりアナログ世代で手帳が欠かせません。同じメーカーの黒革手帳を愛用して38年。今や身体の一部になっています。新しい手帳を先日求めました。早速1月と2月の行事を鉛筆で記しました。真新しい手帳を手にして待ち受ける日々に希望を託します。
一冊の手帳は雄弁です。左頁の1週間単位の欄は仕事の予定。周南文化協会、児玉源太郎顕彰会、山口県文化連盟、山口放送番組審議会などの予定を書きます。右頁の空欄には男声合唱団メールソレイネの活動などプライベートのことや各地の音楽、演劇、舞踊公演、美術展、歴史講座、経済セミナー、映画情報などを加えます。記入する手間はかかりますが、いざというときにとても有益です。新聞や雑誌、本を読んで目に留まる一文、各紙の俳壇や歌壇の好きな作品、私の所感も折々に添えます。友人や知人の詳しい訃報は後日役立ちます。
「手帳を読み返すと、一緒に戦い抜いてきたと、いとおしくなります」。病気の妻と自閉症の長男を守りながら東レ取締役、東レ経営研究所社長を務めた佐々木常夫さんの言葉に共感します。手帳は仕事と人生の羅針盤。佐々木さんも私と同じような使い方をされていてまさに「わが意を得たり」です。
嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと。人生は悲喜こもごも。今年もいろんなことがありました。あるがままを受け入れて真っ正直に生きていくことでしか道は開けないように思います。書くことは自分を見つめることにもつながります。頭の中を整理して、もう一人の自分と対話することを大切にしています。
古日記また一冊を加へたり
草野 駝王
35歳から書き続けてきた古手帳も38冊になりました。小さな手帳が私の人生を語ります。
