コラム・エッセイ
再々 文月(一)
随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)また7月がめぐってきました。「またまた」と言うべきでしょう。随想「季節の中で」を書き始めて2年が経ちました。いつまで書けるのだろうかと戸惑いながら3年目に入ります。51回目の随想です。読者の温かい励ましに支えられて「再び」から「再々」へと繋がりました。
梅雨の鬱陶しい気分を晴らせてくれるのが祭です。夏に行われる神社の祭礼を総称して「祭」と呼びます。歳時記では夏の季語。疫病神や悪霊をなだめ、鎮めるために祈願したのが始まりとされます。代表的な祭が京都・八坂神社の祇園祭。7月1日から鉾町の会所などで祇園囃子の稽古が始まり、この時期に町中を歩くと「コンチキチン」と、あの独特の鉦、笛、太鼓の音が毎夜聞こえてきます。「あゝ、京の都にいるのだな」と心地好い気分になります。16日の宵山、17日の山鉾巡行、24日の花傘巡行と連日のように行事があってにぎわいます。
ゆくもまたかへるも祇園囃子の中
橋本多佳子
大阪の天満祭、東京の神田祭とともに日本三大祭と言われます。西日本では福岡・櫛田神社の博多祇園山笠が有名です。7月1日には各町に博多人形師が作った10数メートルの飾り山笠を展示、12日の追い山ならし、13日の集団山見せ、と盛り上がって15日の追山笠で最高潮に達します。「オイサ、オイサ」と勢い水を浴びて豪快に走る姿はこの祭を象徴します。
福岡で生まれ育った人や学生時代を過ごした人、転勤族として福岡で勤務した人には懐かしく、血が騒ぐ祭でしょう。名古屋育ちの私の従兄も建設会社の支店長として福岡で長年勤務し、「食べ物が旨い。人情が厚い。物価も安い。実に暮らしやすい」とお気に入りでした。新聞記者をしていた頃に福岡出身の記者の多くが口々にふるさと自慢をしていました。5月の博多どんたく、7月の博多祇園山笠は幾つになっても心躍ると言います。
山笠見るや五寸の隙に身を入れて
小西和子
祭のさなかには梅雨も明けて暑い日々が続きます。祭のエネルギーは猛暑も吹き飛ばします。祭は人と人を結びつけます。絆が深まり、地域の連帯感が生まれます。
地元でも徳山夏まつりが7月20日、海を渡る神輿で有名な粭島・貴船神社のお祭りが28日、鹿野天神祭が30日、サンフェスタしんなんようが8月3日に催されます。ふるさとを今一度見つめ直してみませんか。
