コラム・エッセイ
「回天」に説明板を
翠流▼山口県周南市の徳山港区で、徳山ポートビルに続き、隣接する緑地が完成して徳山下松港の開港100周年の記念碑も建立された。今年度中にはそばの駐車場も一部が一般に開放される。
▼緑地に立って南を見ると周防灘フェリーや大津島巡航も航行する航路をはさみ、右手に白い灯台、左手は晴海親水公園。公園には明治に造られ、徳山港のシンボルになっている石灯台も見える。
▼晴海親水公園、水産物市場、ポートビル、徳山駅、西側の灯台を結ぶウオーキングコースも作れそう。歩くだけでフェリーやタンカー、貨物船、巡視艇、漁船など、港を利用するさまざまな船舶を見ることができる。
▼カフェなどがある通りの向こうは徳山駅の「みなと口」。駅前広場、駐車場も整備されている。駅の2階へ上がると南北自由通路。東側の窓からは徳山駅前再開発で建設中のビルとJR山陽本線の線路が目の前。通路の先には徳山駅前図書館や商店街が広がる。新型コロナウイルスの感染拡大で沈みがちだった2年間だが、その間もまちづくりは着実に進められている。
▼ところで、徳山は終戦まで海軍燃料廠があり、徳山港は軍事的な要港でもあった。その歴史を伝えているのが緑地に置かれた人間魚雷と言われる特攻兵器「回天」のレプリカ。映画「出口のない海」の撮影のために作られ、映画の完成後は周南市で保管、展示されている。ただ市の文化スポーツ課によると「回天」に説明板を立てる予定はないという。多くの人が訪れるスポット。再考してほしい。
(延安弘行)
徳山ポートビル緑地の「回天」のレプリカ
