コラム・エッセイ
平和都市宣言
翠流▼若者たちの夏が帰ってきた。高校総体や甲子園、夏祭り、どこに行っても高校生や中学生たちが主役。甲子園では下関国際が決勝にまで進んだ。山口県勢としては37年ぶり。満員の球場にブラスバンドが響き、勝利を目指して躍動する姿に元気づけられた人も多い。
▼地元でボランティ活動や研修に汗を流す中高校生もたくさん見たし、勉強に打ち込む受験生もいる。コロナ禍は出口が見えないが、若者たちは乗り越えて進んでいく。
▼その姿に影を落としているのがウクライナ戦争。ロシアの一方的な侵攻から始まった戦いは「武力による現状変更を許さない」とする米国やヨーロッパの主要国の北大西洋条約機構(NATO)の国々がウクライナを支援。日本もミサイルや大砲の提供は踏みとどまっているが、人道的支援や経済制裁に加わっている。ロシアから見れば米国などと同列。制裁も課されている。
▼戦争はいつ終わるかわからず、ロシア側は領土の侵略、市民の殺害から核兵器使用の可能性にまで言及するに至っている。
▼8月は日本では慰霊と平和への思いを新たにする季節でもある。周南市は核兵器非核平和都市宣言、下松市は核兵器廃絶平和都市宣言のまち。周南市の新南陽駅前には宣言を記念する碑があり、下松市は庁舎に横断幕を掲げている。ウクライナへの支援には加わるが、武器も提供しない、核兵器の使用は許さない、若者を戦場に送らない。77年前の戦争から生み出した日本の立ち位置を大切にしたい。
(延安弘行)
新南陽駅前の平和記念碑
