コラム・エッセイ
「光がない」
翠流▼県観光連盟がJALとタイアップして発行している観光パンフレット「長州タイムズ祭り便」が8月26日に発行された。発行部数は2,500部。ウェブ版もある。
▼県内の16の祭りを紹介し、山口を中心に栄えた大内文化を世界に発信したいという趣旨の村岡嗣政知事と大内氏当主、大内弘世の架空対談を掲載している。ニューヨークタイムズ紙で紹介された山口市は特別に大きな記事になっている。
▼しかし16の祭りの中に、なぜか光市の祭りがない。周南市は冬のツリーまつり、下松市は11月3日の「きつねの嫁入り」で知られる花岡の稲穂祭が取り上げられている。最多は山口市で山口七夕ちょうちんまつり、山口祇園祭、12月のクリスマス市セレモニー・やまぐち光誕生祭が登場している。萩市、下関市、防府市も2件ずつ、長門市、美祢市、宇部市、柳井市、岩国市が1件ずつある。
▼観光地も12カ所が取り上げられ、周南市からは鹿野の漢陽寺、下松市は大内氏など武将ゆかりの花岡八幡宮が入っているが、ここにも光市はない。
▼瀬戸内海国立公園の虹ケ浜、室積海岸、古代の山城、岩城山などがあり、室積の普賢まつり、神社を模した山車巡行で知られる早長八幡宮秋まつりなどの祭りも盛ん。それなのに県全体の観光パンフレットには登場しない。
▼古代から現代まで、さまざまな観光資源がある光市。発信力を高め、次の長州タイムズでは光市にスペースが割かれるようになってほしい。
(延安弘行)