コラム・エッセイ
介護人材確保
翠流▼高齢者の増加が見込まれる中、介護人材の不足が課題となっている。将来ではなく、すでに現場ではケアマネジャーが足らない状態という。この問題を取材して、光市では経済部所管の補助金支給を介護分野にも適用して、ケアマネジャーの資格更新時の研修費用などを補助できると知った。
▼同市では中学校の部活動の地域移行でも、社会福祉分野の子育て支援ファミリーサポート事業の対象を中学生にまで広げ、部活動の送迎ができるようにする取り組みが進められている。
▼部署の壁を越えて、なんとしてでも課題の解決を目指す、市民のためにできることがなにかないかと考え、実行する姿勢は市民に伝わるにちがいない。
▼周南市の周南公立大学では今春からの学部改編で人間健康科学部に、スポーツ健康科学科、看護学科、福祉学科がスタートした。このうち福祉学科の定員は60人、10年では600人。周南地域に就職する卒業生が多ければ介護人材の確保に大きな力になる。
▼例えば、5年に一度のケアマネジャーの更新費用は約5万円という。周南市内の更新時期のケアマネジャー全員に5万円ずつ補助しても150万円ほど。これに補助することで周南市は本気で介護人材を求めているという意気込みが学生に伝わり、市内に就職、住み続ける人が数人でも出てくれば充分に勘定が合う。一期生が就職先を決めるまであと2年ほどしかない。将来を担う若者に各市の熱意を伝える施策の早期実施が望まれる。
(延安弘行)
