コラム・エッセイ
イペーとジャカランダ
翠流▼桜前線が1カ月ほどかけて北上し、北海道に達したという。日本列島は花の列島。春から初夏にかけてのこの時季、各地で多彩な花が楽しめる。
▼特に、今年は冬が終わったと思ったら、気温がすぐに上がり、4月から夏のような気候。花たちを驚かせたのか、いろんな花が一斉に咲いたように感じた。
▼周南地域でも梅に始まり、早咲きの河津桜、山桜や枝垂れ桜、ソメイヨシノが続き、黄色の菜の花が桜を盛り立てた。新南陽地区のチューリップ、公園の白モクレン、街路樹のハナミズキ、冠山総合公園などのボタン、TOSOH PARK永源山などのツツジ、大道理などの芝桜と切れ目なく花の便りが届いた。
▼以前、旧徳山市役所の前庭にあったイペーは大型連休のころに黄色い花が木をおおうほど咲いた。ブラジルの国花で、姉妹都市のサンベナルド・ド・カンポ市から贈られた種子から育った。市民に種も配っていた。今は徳山動物園に移されている。
▼姉妹都市交流にちなむ樹木としては、徳山小の西側の児玉公園にジャカランダの大木がある。世界三大花木ともいわれ、5月から6月にかけ、紫色の房状の花が咲く。
▼周南市の徳山は「桜馬場」の地名が残るように、徳山藩のころから桜の美しさで知られて今も続くが、世界的に知られたイペーやジャカランダの森が小中学校や公園にあれば、市民に親しまれることだろう。今年はイペー、ジャカランダともきれいに咲いてほしい。
(延安弘行)
