コラム・エッセイ
「ああ大津島 碧き海」
翠流▼周南市役所のロビーに太平洋戦争中と戦後の復興当時の徳山の写真パネルが展示されている。そのそばにテレビ画面があるのだが、放映されていた破壊された都市の映像を徳山だと思ってよく見ると、ウクライナの惨状を伝えるニュースだった。
▼戦後80年の今年、戦争について考える事業が多い。節目の年というだけでなく、ロシアが侵攻しているウクライナの惨状が太平洋戦争末期の米軍が上陸した沖縄や、空襲で破壊された都市、原爆で壊滅したヒロシマ、ナガサキの映像と重なるためかもしれない。
▼戦争であれば一方的に被害を受けるだけではない。周南地域も徳山海軍燃料廠、光海軍工廠があり、周辺の工場も軍需工場となって戦争を支えていた事実がある。そして大津島には特攻兵器「回天」の訓練基地があった。
▼周南市の「戦後80年」事業では多様な角度から戦争の実態を伝え、考える機会を提供してくれる。
▼8月は3日(日)に市文化会館大ホールでテレビでも活躍している若林哲行さんプロデュースの演劇「あゝ大津島 碧(あお)き海」の公演がある。回天の搭乗員を描き、周南市出身のテッシー手島さんも出演する。年齢を問わず幅広い人に大津島で何があったかを知ってほしい。
▼その後、9日(土)の工藤洋三さんの講演会「(仮)米軍記録による徳山空襲」をはさんで15日(金)は大津島の回天記念館で式典「平和の鐘を鳴らそう」。演劇を見て大津島に足を運び、今ものこる戦争遺跡にふれてほしい。
(延安弘行)
