2026年07月08日(水)

コラム・エッセイ

第三十六手「囲碁AIの衝撃①」

「碁」for it 小野慎吾

 今回は「囲碁AIの衝撃①」について紹介します。

 前回紹介時には、日本内におけるプロになる方法等をご紹介しました。今回は世界のプロ事情についてもご紹介します。

 将棋は、日本国内の「プロ」制度となりますが、囲碁の場合は全世界で競技されているため、その国での独自でのプロ制度となります。世界でも1、2を争う強い国は中国と韓国です。両国は、昔よりプロ制度がある国です。

 昔は、日本が世界最強になる事が多い国でした。その図式が変わってきたのは1988年くらいからです。1974~1988年まで世界のトップ10プレイヤーは全て日本人という事も珍しくありませんでした。2021年現在ではトップ10に日本のプロ棋士が入っている事はほぼありません。2021年5月時点では30位にかろうじで日本のトップが入る程度です。それより上は中国棋士が4分の3、韓国棋士が4分の1という図式になっています。

 昔は、日本のお家芸と言われていた囲碁ですが、1990年に囲碁界では伝説の「イ・チャンホ」という韓国棋士が当時15歳の若さで世界ランキング1位になります。その時代、世界各国が争う国際棋戦は毎年2~3戦行われていました。国際棋戦で21回の優勝を果たし、名実共にその時代のナンバー1棋士でした。この21回の優勝回数は未だに破られていない大記録です。2006年まで16年間も世界1位を維持し続けました。

 その後、韓国では「イ・セドル」という新たなスターが現れ、国際棋戦で18回世界優勝を果たし、「イ・チャンホ」と並ぶ天才棋士が現れたと囲碁界に印象づけました。囲碁を知らない方でも「イ・セドル」という名前は聞いたことがあるという方はいらっしゃるのではないでしょうか。

 それもそのはずで、2016年に「Google DeepMind」社によって開発されたコンピュータ囲碁プログラムの「アルファ碁」は時のニュースでした。日本でもニュースが連日報道されました。コンピュータが人間に打ち勝つ事が難しいと考えられてきた囲碁でしたが、人工知能がその時のトップ棋士の「イ・セドル」に5番勝負で4勝1敗と勝ち越し、人類超えを果たしました。

 この対局自体は、当初人類が優位であると囲碁ファンからすれば至極当然そう思っていました。しかし始まってみると、1局目を敗れると「これはかなり強いぞ・・・」という雰囲気になり、続く2局目も負けアルファ碁の実力について疑う者はいなくなりました。3局目はコンピュータが苦手と思われた囲碁のルール「コウ」というものを活用して「イ・セドル」は望みますが、それすらも克服したコンピュータの強さで圧勝し、囲碁界を絶望に突き落としました。

 このまま人類は1勝も出来ないのでは無いかと思われました。続きは次回以降にご紹介します。

 囲碁の面白さに「碁」for it(頑張る)!

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