2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(11) シラサギ(白鷺)

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

  冬の川面には、いろいろな野鳥が集まってくる。越冬するために日本にやってきた冬鳥もいれば、渡り鳥でありながら渡りを止めて住み着くようになった留鳥(りゅうちょう)もいるなど多種に及ぶ。

 それらの野鳥の中で、一段と目を引くのがシラサギであろう。シラサギはその名前のとおり全身が白い羽毛でおおわれたサギ類のことで、冬の川でよく見られるサギ類にはダイサギとコサギがいる。

 それぞれ特徴があるので、区別は意外と簡単である。ダイサギはコサギに比べると倍近く体が大きいので見た目だけでもわかりやすい。さらに口ばしの色がダイサギの黄色に対して、コサギは黒色である。

 足の長いダイサギが川の深みに入ってエサを狙う姿は、美しい。小魚やカエル、カニなどを捕食するらしいが、獲物を捕らえた場面をほとんど見ることができないほどの不器用さには、愛着を感じる。

 他の野鳥に比べると、警戒心はかなり強い方であろう。遠く離れている時は良いが、近づくと長い首を伸ばして周辺を警戒し始める。そして限界を越えると、白い羽を広げて飛び去って行く。

 ダイサギの飛んでいる姿は非常に美しいが、野鳥を驚かさないことが観察の最低限のマナーであろう。これほど多くの野鳥を身近に見ることができる機会はめったにないので、慎重に行動しよう。

 最近、各地で河川の護岸改修工事が行われるようになった。防災のためであれば必要と言わざるを得ないが、川岸に生えた植物を根こそぎ撤去する工事は、自然を破壊することに他ならない。

 ヨシの茂みの下で、シラサギがエサを狙う姿が見られるような風景こそが、豊かな自然と言えるであろう。これからも、野鳥が住み続けることができるような自然環境であることを切に願いたい。

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