2026年05月18日(月)

コラム・エッセイ

(12) シラサギ(白鷺)二

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 古くから、サギ(鷺)は神の使いと伝えられてきた。その理由は定(さだ)かとは言えないが、おそらく、空を自由に飛ぶことができる鳥は、神の世界と行き来できるものと信じられてきたからであろう。

 ところが、サギが具体的にどの鳥を示しているのかについては、曖昧なままになっている。もしかしたら、特定することそのものが無意味であるため、明らかにする必要がなかったからかもしれない。

 特定しないことで神秘性がより高まっていたのも事実であるが、光線の色が白色であることや白い色が純真無垢を象徴した高貴な色であることなどから推測すると、シラサギがその正体であったと思われる。

 しかし、さらに神秘性を深めていたのが、シラサギという名前の鳥がいないことである。今さら、迷惑なことに違いないが、赤トンボというトンボがいないのと同じように納得するよりほかはない。

 シラサギとは、白い色をしたサギ類のことであるが、その代表的なものにはダイサギ、チュウサギ、コサギがいる。チュウサギは夏鳥として飛来するので、冬の期間は当然見ることができない。

 残るシラサギのうちのコサギは、名前が表しているように他のサギに比べると小形である。小形ではあっても、黒いくちばしや足など特徴あるその姿には調和のとれた美しさが秘められている。

 さらに、朝日に照らされた冬の冷たい川の流れの中で、凛(りん)としてたたずむコサギの姿を目の当たりにすると、まるで精霊が宿った鳥であるかのような神々(こうごう)しさが感じられる。

 それは、疫病退散を願う鷺舞などとして奉納されたことや幸せを運ぶ鳥として崇(あが)められていたことを思い起こさせるものでもある。コロナ禍の今、その姿に安寧(あんねい)を願わずにはいられない。(画家)

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
スバル合同会計 周南事務所

相続時や建物の購入売却時の相続税・資産税のご相談。
大切に育てた事業の譲渡や事業の拡大にむけて、複数の専門業者との提携で、お客さまの求める結果を一緒に目指します。

西京銀行

【取扱期間 2026年4月1日~2026年9月30日まで】お預け金額10万円以上。手続き不要!さいきょう定期預金の金利で満期後自動継続。詳細は西京銀行までお気軽にお問い合わせください。

東ソー

東ソーが生み出す多種多様な製品は、社会インフラや耐久消費財など人々の生活に役立つさまざまな最終製品に使われています。総合化学メーカーだからこそできる、化学の革新を通して持続可能な社会に貢献していきます。

株式会社トクヤマ

トクヤマは、電子材料・ライフサイエンス・環境事業・化成品・セメントの各分野で、もっと幸せな未来をつくる価値創造型企業です。