2026年07月15日(水)

コラム・エッセイ

(36)大賀ハス

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 「戻り梅雨(もどりづゆ)」という言葉がある。梅雨が明けたあとになって、再び梅雨のようなぐずついた天気が続くことをあらわした言葉である。また、同じ言葉に「返り梅雨(かえりづゆ)」というものもある。

 いずれも、ここ最近の天気にふさわしい言葉と言えるであろう。振り返ってみると、今年の梅雨明けは異常に早かった。6月中(28日)の梅雨明けは、統計を開始した1951年以来初めてのことだったらしい。

 平年より21日、昨年より15日早いと報じられていたが、14日間という観測史上最短の梅雨の期間に対しては、戻り梅雨があるのではないかといった懸念の声があがっていたのは当然であったのだろう。

 気象庁による梅雨明けの発表は、あくまでも速報値であり、最終的に梅雨明けが確定するのは9月に入ってからと言われている。それを聞くと、発表を真に受けて一喜一憂することが馬鹿らしく思えてくる。

 しかし、最近の異常気象を目の当たりにすると、気象庁の姿勢を批判してばかりではいられないことに気づくはずである。各地で連日のように発生し続ける線状降水帯による被害は、決して他人事ではない。

 戻り梅雨の中、周南市にある周南緑地公園の西緑地で大賀ハスを見学した。ハスの花が朝早くに開くとされているからであろうか、早朝にもかかわらずカメラやスマホを持った多くの見物客でにぎわっていた。

 大賀ハスは、今から2千年以上も前の遺跡から発見されたハスの種を発芽させたもので、開花を成功させた大賀一郎博士にちなんで名付けられたという。縄文時代に咲いていたハスの花として広く知られている。

 西緑地の大賀ハス池では多くの花が咲いているだけではなく、すでに花びらが散って蜂の巣に似た果実となったものや開花を待っているツボミなどの姿を、時がたつのを忘れてゆっくりと見ることができる。

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