2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

学問の木(下松市笠戸島)

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 学問の木は、別名をカイノキ(楷の木)、ランシンボク(欄心木)という。

 カイノキは、整った枝ぶりから楷書の語源になったとされ、ランシンボクは成長すると幹の中心が腐って空洞になることから付けられたと言われている。

 また、学問の木と呼ばれている理由には、孔子の廟(びょう)にカイノキが植えられていることや、官吏の試験に合格した時にカイノキから作った笏(しゃく)が授けられたことなどがある。

 孔子は紀元前の中国の思想家であるが、現在でもその言葉(論語)は気付かないところで生き続けている。「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」、「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」、「四十にして惑わず、五十にして天命を知る」など挙げればきりがない。

 下松市笠戸島の国民宿舎大城の近くにある笠戸島家族旅行村には、オートキャンプ場やケビン、バーベキューガーデンに加え、山の急な斜面にくつろぎの広場やわんぱく広場など多くの施設が整備されている。

 下松湾を一望できる夕映えの丘では、ウルシ科の落葉樹でトネリバハゼノキとも呼ばれる学問の木が見事に紅葉していた。そばの説明板には、「紅葉した落葉を持ち帰る受験生も増えている」と書かれていた。

 周辺には成長の森や自然観察の森などがあり、これらを冒険の小径やさえずりの小径などが結んでいる。季節を身近に感じることのできる絶好の場所となっているように思えた。 (画家)

学問の木

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