2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(57) 秋ジャガイモ

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 大急ぎで、秋ジャガイモを収穫した。収穫のタイミングについては、地上部(葉)が黄色くなってからなどと参考書に書かれていたが、家庭菜園の秋ジャガイモに限ってはいっこうに枯れる気配が見られなかった。

 その一方で、霜が降りて土が凍るとジャガイモに良くないとも書かれていたので、収穫をいつにするか大いに迷っていた。ところが、この冬最強の寒波が来るとのニュースを聞いて、ついに収穫することにした。

 とは言っても、それほど大騒ぎする必要はなかった。秋ジャガイモの栽培は今回が初めてで、収穫できるかどうかも分からない。さらに、試しに植えてみた程度の量であるため、さほど時間もかからないだろう。

 これらが、収穫を躊躇していた理由になっていたのかもしれない。ところが、実際に掘ってみると、土の中から出てきたのは予想外に育ったジャガイモであった。量はそれほど多くなかったが大満足と言える。

 9月上旬に植えてから約3ヶ月という短期間にも関わらず、これだけ成長できる生命力には驚かされる。まさに飢饉の時などに救荒作物として期待されているジャガイモの面目躍如と言ったところであろうか。

 秋ジャガイモは作るのが難しいと思い込んでいたので、今回の成果は今後の参考になった。たまたま、病害虫による被害がなかったからとも言えるが、来年は植え付けを倍以上に増やして挑戦すべきであろう。

 作業に手間をかけ過ぎてはいるものの、何らかの損失が生じた訳ではない。たとえ、生産性が悪いと言われても、家庭菜園だからこそ許されるべきことに違いない。楽しくなければ、家庭菜園ではないと思う。

 収穫した秋ジャガイモを、さっそくゆでて食べてみた。おそらく市販されているジャガイモと変わらない味であったのだろうが、数倍もおいしく感じられた。そこには、自分が作ったという喜びと充実感がある。

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