2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(59) 赤い太陽

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 日中にもかかわらず、空には赤い太陽が出ていた。いつもであれば、直視できないほどの光を放っているはずであるが、まるで夕日のように赤く輝いている。いったいどうしたのだろうかと、心配になった。

 このような異常といえる現象が起きるのは、もしかしたら、良いことが起こる前ぶれとされる吉兆(きっちょう)なのかもしれない。あるいは、良くないことが起こる前ぶれとされる凶兆(きょうちょう)かもしれない。

 急いで家に帰り、テレビをつけてみたが何も報じてはいなかった。仕方なく、高台に登って様子を見ることにした。近くを走る国道では、いつもと変わりなく多くの車が行き交っている。遠くの工場も変わりなく煙をあげ続けているが、風景全体がかなりかすんでいることに気がついた。

 しかし、霧が出ているわけでもなさそうである。ましてや、雪が降っているわけではない。その原因が不明のまま時間だけが過ぎていった。そして、ようやく夜のニュースで、PM2.5が発生していたことを知った。

 天変地変の前ぶれでなかったことに、胸をなでおろしながら、そのついでに、大気汚染の状況を調べてみると、光高校で46.4µℊ/m3、下松市役所で45.3µℊ/m3、宮の前児童公園(旧新南陽市)で42.4µℊ/m3であった。

 35µℊ/m3を超えるとレベル区分がⅡの黄となる。行動の目安として「特に行動を制約する必要はないが、呼吸器系や循環器系疾患のある者、小児、高齢者等では健康、体調の変化に注意する」と示されている。

 PM2.5が発生した理由として、中国がゼロコロナ政策を終了したことが関係しているのだろうか。経済活動が再開されることは歓迎すべきことであろうが、明らかにされない感染者数や死者数に新たな不安が募る。

 3年ぶりに行動制限のない年末年始を過ごせるまでに改善してきた新型コロナ対策が、再び変異株などによって後退することがないように願うばかりである。赤い太陽の出現が、吉兆であることに期待したい。

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