2026年07月15日(水)

コラム・エッセイ

(62) 雪景色(ゆきげしき)

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 「10年に一度」と言われていた寒波が、予報どうりにやってきた。実際に寒波が来るまでは、日中の気温がそれほど下がることはなく、雨が降ったこともあって半信半疑であったが、強い寒波は本当にやってきた。

 気象庁があれほど警報していたにも関わらず、危機意識が乏しいのかそれとも真剣さに欠けるのか各地で多くの被害や混乱が生じていた。警報に従って対策を取っていれば、多くの被害や混乱が防げたに違いない。

 とは言っても、何の責任も取らないであろう気象警報に無条件で従えるほど世の中は甘くはないはずである。たとえ警報が出ていたとしても、通常の業務につかなくてはならないのは当然と言えば当然であろう。

 24日になると、県内全域に暴風雪警報が出され、強風が吹き荒れた。久しぶりに霰(あられ)が降ったあとには、粉雪も舞い始め寒波襲来を予感させていたが、ついに日が暮れるころには綿雪が本格的に降り始めた。

 そして、一夜が明けると、あたり一面が深い雪に埋もれていた。これほどの積雪量は、記憶に残っていないほどである。冬用タイヤに履き替えてはいたものの、家に閉じこもり不要不急の外出を控えることにした。

 それでも、久しぶりの大雪に居ても立っても居られない。さっそく、メジャーを取り出して、積った雪の量を測ってみると玄関前でも約17センチあった。さらに自動車の上には、20センチをはるかに越える積雪があった。

 せっかく積もった雪であったが、雪景色を見るために外出できたのは翌日の午後になってからである。いつもであれば、ほとんどの雪が融けてなくなっているころであろうが、今回は幸いにも融けずに残っていた。

 「やまぐちの棚田20選」の一つでもある周南市小畑地区の棚田では、雪化粧をした風景が広がっている。雪が積もることが少なくなった近年では、めったに見ることができない大切な雪景色と言えるであろう。

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