2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(97)アサギマダラ

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 熊による被害が、全国各地で発生している。その被害の内容には、最悪の事態を含む深刻なものも多い。周南地域でも、熊の目撃情報が連日のように発表され、ついには周南市鹿野地区で「クマ出没警報」発令された。

 熊が頻繁に出没する原因とされているのが、ドングリなど熊の餌となる木の実の不作である。山に食料がなければ、熊にとっては命を守るために、たとえ危険を冒してでも人間の近くに出ざるを得ないのは当然だろう。

 熊以外の動物に対しても当てはまるかどうかは分からないが、最近になって家庭菜園が今だかってないほどの被害を受けた。収穫を楽しみにしていたサツマイモの全てを、おそらくイノシシと思われる害獣に奪われた。

 その容赦ない攻撃に、ついには「耕作の断念」という言葉が浮かんできた。山間部で見られる耕作放棄地の原因の一つが遅まきながら理解できたような気がした。それでも、気を取り直して、防護柵の補強を行った。

 そんな害獣などお断りしたい「迷惑な客」であるが、その一方で、ぜひとも「招きたい客」がいる。そのお客様とは、旅する蝶と呼ばれているアサギマダラである。フジバカマが咲くと、今か今かと待ちわびている。

 今年、飛んできたのは、すでにフジバカマが満開となった10月19日であった。昨年より一日早かったが、一昨年と比べると一週間も遅れている。花の満開時期とチョウの飛来時期との時間的なズレが気がかりである。

 さらに、今年の飛来数は、最大でも4頭程度で1頭の日が多かった。以前には、翅に捕獲場所などがマーキングされたものが見られるほど多くのチョウが来たこともあったが、年々飛来数が減少しているように思える。

 飛来数が減少傾向にある理由は分からない。一時的なものかもしれないし、地球環境の変化が影響しているのかもしれない。それでも、「迷惑な客」よりも「招きたい客」が来てくれることを、心から願っている。

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