コラム・エッセイ
石鎚山と別子銅山へ
周南漫歩◎年末は「日本七霊山」の一つ、愛媛県西条市の霊峰・石鎚山に登った。西日本最高峰という標高1,982メートルの山頂に立ったのではなく、ロープウエーとリフトで行ける1,450メートルの石鎚神社中宮成就社までだが、それでも天高く悠々とそびえる霊峰は壮大だった。
◎石鎚山に行こうとしたのは、夏に買っていた県のプレミアムフェリー券のことを最近になって思い出したからだ。使用期限は1月15日までで払い戻し不可。使うしかない。
◎1500万年前の噴火で形成されたという石鎚山は、古くから山岳信仰の対象で、あの空海も修行したという。今も修行者や登山者、旅行者のための旅館が山頂や山腹に複数あってにぎわう。
◎この機会に隣の新居浜市の別子山村にも行った。村は江戸時代から1973年まで約280年間も別子銅山で栄え、住友財閥と新居浜発展の基礎になった。人口はかつて1万人を超えたが、今は200人。江戸時代に木の乱伐と精錬の煙害でハゲ山だらけになったが、明治期以降は住友財閥の大造林計画で緑深い山に還り、記念碑的な森の「住友の森」も見学できた。
◎行き当たりばったりの旅にしては収穫が多かった。石鎚山も別子山村も三密に無縁なほどの閑散ぶりだった。冷気と霊気に感じ入った年末の旅は、今年の取材活動に貴重なヒントを与えてくれるのかもしれない。(山上)
