コラム・エッセイ
人権擁護委員
周南漫歩◎法務局とは何か。6月1日の「人権擁護委員の日」にちなんだ特集記事を本紙1面に載せたが、山口地方法務局周南支局は人権擁護委員の顔ぶれの掲載について「氏名だけにしてほしい」と本紙に求めてきた。
◎人権擁護委員は市区町村長が議会に候補者を提案し、可決されたものを法務大臣が委嘱している。そのため各議会には市区町村長が推薦する委員の候補者のフルネームはもちろん、生年月日、学歴、経歴を紹介した議案が提出される。議案は議員や記者に配布されるほか、各市の情報公開コーナーで誰でも自由に閲覧できる。
◎つまり人権擁護委員がどんな人かは社会全体に広く公開されている。本紙はその議案の中から氏名と年齢、大まかな住所、主な経歴を抜粋して掲載しようとしたにすぎない。
◎地方議会に提出された議案の内容を右から左に転記して報道するだけのことを誰が制止できるだろう。ところがあろうことに法務局は「発行前の記事を見せてほしい」とまで本社に求めてきた。
◎冗談じゃない。行政の事前検閲は日本国憲法第21条第2項の前段で「検閲は、これをしてはならない」と禁止されている。筆者は法務局職員に「そんなことを本気で言っているんですか」と返した上で、事前検閲の求めには「絶対にできません」と拒否した。
◎そんな壁を乗り越えて発行したのが6月1日付の1面記事だ。周南3市の人権推進課の課長や職員には筆者の取材に親身に応じてもらった。この記事を読んだ皆さんが少しでも人権擁護委員の役割に関心を持ち、人権を大切にする輪が3市全体に広がることを願ってやまない。(山上)
