コラム・エッセイ
写真の「検閲」
周南漫歩◎筆者のカメラを指して「あなたが写した写真を見せて下さい」と言われたのには耳を疑った。ある小学校の書き初め大会を取材したときのことだ。
◎この日は事前に学校から市教委を通じて各報道機関に知らされた「記者発表資料」に基づいて取材した。取材が終わるころに教員から「この中に撮影NGの子どもがいます」と配慮を求められた。
◎その子どもの近くでは幸い撮影していなかったので「写していませんよ。大丈夫ですよ」と言ったが、筆者が信用できなかったのか「写真を見せてほしい」と言われたのだ。
◎中国など報道の自由度が低い国では、官憲や軍人による写真画像のチェックや強制的な消去、没収がよくあるといわれる。それと同じことではないか。
◎もちろんこの教員の行為は、撮影NGの子どもを守ろうとする余りの言動に過ぎず、悪気はなかったのだろう。記者生活26年目の筆者にとっても初めてのことだった。このことは校長や市教委の学校教育課長に指摘し、再発防止を促しておいた。
◎日本では「報道の自由」や「取材源秘匿の原則」が保障されている。社会の宝物である子どもの笑顔をいつまでも大切にできるように、多くの人たちとの信頼関係をさらに強めたい。(山上)
