コラム・エッセイ
【下松】初めての“マイ点字名刺”
周南漫歩◎62歳になった今も「人生初」という言葉が離れない。日立製作所を中心に活動する奉仕団体「親切会」の下松点訳・音訳友の会への寄付金贈呈式を取材した際、点訳のメンバーから「記者さんも点字を体験してください」と勧められた。
◎とりあえず筆者の名刺に「やまがみたつや」と点字を打つことにしたが、この時に初めて、点字とは1つの音を6つの点で表現していることを知った。そこをまず理解し、名刺の裏に定規のような点字器を重ねて、五十音の点字表を見ながら先のとがった金属製の点筆(てんぴつ)を突いた。
◎点字は紙の裏から打つので、字は右から左に打つ。そんなことさえこの日に初めて知った。メンバーのご指導のおかげで、筆者の名前が打たれた初の点字名刺が完成した。
◎点字部分を指で触ったが、よくわからない。しかし目の不自由な人たちは、きっと指の先に神経を集中させて点字を読み取っていくのだろう。頭が下がる思いがした。
◎点字は視覚障害者にはなくてはならないものだ。例えば選挙では点字による投票が可能で、点字投票を申し出ると点字投票であることが判別できる専用の投票用紙が渡され、投票所に備え付けの点字器で候補者名や政党名を点字で打つ。開票所では点字を読める職員が投票用紙に点字で打たれた内容を解読して、当日の一般投票や期日前投票などの開票結果と合算する。
◎歩道上の点字ブロックや駅の手すりの案内板など、私たちの身近なところに点字は存在する。筆者も“マイ点字名刺”を自作したことをきっかけに、もっと点字に身近に接したい。
(山上達也)
