コラム・エッセイ
6月作品(その三) 宿題「切れる」 瀧川茶々選
下松多宝塔川柳会あめを買う切っても切っても金太郎 佃元気
切れ味の鈍いツッコミ拍子抜け 松永よし子
都合よく聞えぬふりで切る電話 鍵谷珠枝
糸切れた凧が便りを寄こさない 神田すが代
切りたいが切れそうもない腐れ縁 赤尾ひなた
踏ん切りをつけたつもりの揺れる思慕 河村紅衣
格好つけ老眼鏡なしで指を切り 赤尾ひなた
叶わない約束ゆびきりげんまん 有海静枝
心配事切れ間なくありボケられぬ 鍵谷珠枝
切れそうな心のネジを締め直す 鍵谷珠枝
漂泊の思いふっ切れひとり酒 栗田梧空
親の為切れる爪切り五千円 佃元気
大人しく見える人切れ人変る 神田鈴佳
へその緒を切られ漂う荒い海 神田すが代
そつがなく切れすぎ友にやや不向き 有海静枝
注意され切れて運転あおり出す 神田鈴佳
切れ過ぎの男の弱いとこ見つけ 河村紅衣
パンツのゴム切れて押さえて出勤す 末光康英
待つ事ができぬ子供がぶち切れる 末光康英
(秀)辛い過去キレた数だけ壁の穴 有海静枝
意に染まぬ切れる男のいじましさ 選者
