コラム・エッセイ
3月作品(その一) 席題「咳」栗田梧空 選
下松多宝塔川柳会トイレの中儂が居るんだ咳をする 末光康英
マスクなしちょっとの咳に気を使う 神田鈴佳
姦しい空咳ひとつシンとなる 松永よし子
皆逃げる満員電車咳三つ 末光康英
咳こんで今日は静かにして居留守 河村紅衣
咳をして同時下から空砲が 末光康英
咳一つごまかしその場をフォローする 赤尾ひなた
咳ふたつアナタとワタシ合図です 佃元気
億が舞う世に咳一つ金が飛ぶ 鍵谷珠枝
居眠りを咳でごまかす議員席 松永よし子
空咳をしたばっかりに睨まれる 中村好徳
悪口に咳払いして意地を張る 中村好徳
咳込んだ途端に運が向いてきた 有海静枝
いらぬこと言うなと背なで咳一つ 河村紅衣
咳払いここにいるぞとたしなめる 河村紅衣
悪口を言えば後ろで咳ばらい 中原童士
金髪に染めた我が子に咳止まる 中原童士
咳一つ大御所やおら立ち上がる 神田すが代
咳払い程度で改めない若気 有海静枝
(秀)物言わぬ貝が哀しい咳をする 神田すが代
空咳は喧嘩の前の警告だ 選者
