コラム・エッセイ
石号に出会って
ちょこっと豆知識 立入塾島根県美都町は益田市の中心部から中国山地に向かって国道191号を30分ほど走った所にある静かな町です。更に国道を進んで行くと1時間足らずで県境を越え、戸河内に着きます。この区間は臥竜山や三段峡を抜けて行くルートで、秋には植林が多い山口県の山ではなかなか見ることのできない紅葉の絶景が続きます。この景色と美都にある温泉が毎年恋しくなるのですが、ここ数年はずっと我慢していました。先日久しぶりに訪れることが出来ました。
紅葉の季節ではありませんが、中国山地の空気に触れられただけでも感動を覚え、美都温泉とそこで味わった唐揚げ(ご当地グルメらしい)は格別のものでした。美都温泉に来た時は、先ず施設の脇にある定食店で唐揚げを堪能するのですが、店に向かって歩いていると、前回来た時には気づかなかった立派な犬の石像が目につきました。近づいて頭を撫でてやりながら、側の説明を読むと、その犬はオスの石州犬で名を石(いし)と言い、石の子孫達が、今や世界中で愛されている柴犬と言うことでした。
石像の銘鈑には柴犬の祖「石号」とあります。更に説明には石像のどこかに「石」の文字が隠されていて、見つけることが出来ると幸運に恵まれるともありました。なかなか見つからないと言うことでしたが、案の定しばらく奮闘したにもかかわらず、幸運には巡り合えませんでした。温泉の受付でそのことを尋ねてみたのですが、自分で見つけましょうと笑顔で返されるだけでした。秋にはリベンジをと心に硬く石の文字を刻みました。
遠出も出来るようになり、少しずつではありますが以前の日常が戻りつつあります。しかし視線を世界に広げると、解決されるのがいつになるのか分らない問題が進行中です。ほんの数年前の世界に戻ることがどれほど大変な事かと考えると、今をしっかり歩んで行くことの大切さを思い知らされます。誰であろうと犬好きな人間は平和を愛する人間であると願うばかりです。
(立入塾 周南市開作北819-7 TEL.0834-25-4553)
