コラム・エッセイ
新人研修
ちょこっと豆知識 立入塾新品のスーツ姿で少し緊張気味にバスを待っている一団を見かける季節となりました。今ではあまり聞かなくなりましたが、私が社会人になった頃は一風変わった新人研修がニュースでよく取り上げられていました。さすがに駅前に一人で立ち大声で一曲歌うと言った研修はありませんでしたが、私も新人研修で色々経験しました。
その中でも印象に残っている研修はいくつかありますが、特に印象深かったものの一つに消防署での体験研修があります。数階建ての建物の壁をロープ一本で降りる、放水ホースを素早く巻きあげるなどの体験も良い経験になりましたが、最も印象深く教訓となったのが次のことです。
まず5、6名ずつ3つの班に分かれます。それぞれの班は順番に火事現場を再現した6畳ほどの小部屋に入り、中に置いてある小箱を取って来るミッションですが、班ごとに条件が異なります。最初の班は先ず部屋に入って小箱や中の様子を確認して戻って来てからミッションを始めます。彼らは部屋に入ったかと思うと間髪を入れず小箱を持ち出して来ました。次のグループは事前に部屋に入るのではなく、部屋の中の見取り図を見せられます。小箱や色々な物が置かれた場所が書いてあったようです。2番目のグループも小箱を手に数秒で部屋から戻って来ました。
さていよいよ私の班の番です。いきなり何の説明もなしに部屋に放り込まれました。部屋は真っ暗で、足元にはいろいろな物が点在しているようで、一歩踏み出すごとに何かに足をぶつけてしまいます。それでも冷静に小箱を見つけようとしていると、いきなり部屋の明かりがつきドアが開きました。そして「全員焼死」と言う声と共に指導員の方が私達を部屋から出るようにと促しました。避難訓練あるいは事前の避難ルートの確認がいかに大切かと、その時話された指導員の言葉が忘れられません。
壁に貼られた大きな分度器の横に立ち、お辞儀の角度が全然浅いと怒られた日が昨日のことのように思い出されます。
(立入塾 周南市開作北819-7 TEL.0834-25-4553)
