2026年04月30日(木)

コラム・エッセイ

幽霊の寿命

ちょこっと豆知識 立入塾

 今年の夏も猛暑でした。どこか涼しい所へ出かけることは自粛し、窓を全開にして扇風機を回した部屋で岡本綺堂の怪談物を読んで暑さをしのいで過ごしました。エアコンの普及が進んだおかげか、最近は怖い話で涼むと言った事は少なくなり、今年は3密を避けると言う理由からか、お化け屋敷のイベントの話も全く聞きません。四谷怪談を読んで気づいたのですが、番長皿屋敷と四谷怪談の話が混ぜこぜになっていました。てっきり「お岩さん」が井戸から出て来て皿を数える話と思い込んでいたのですが、皿を数えたのは「お菊さん」でした。しかし、現世に強い恨みを残して亡くなった者が自分を裏切った人達にお化けとなって祟ると言う話は共通しています。

 ここ20年ばかり、幽霊やお化けが減っていると聞きます。24時間営業の店が増え夜の闇を感じ難くなった事もありますが、目撃例等が極端に減っているとの事です。そこで浮上してきたのが幽霊の寿命四百年説(お化けは死なないはずですが)です。これまでの目撃例の多くは落ち武者の幽霊で、そのほとんどが関ヶ原の合戦で命を落とした武者らしいのです。関ヶ原の合戦(1600年)から400年ほど経った2000年頃から急に落ち武者の幽霊が出なくなったと言います。祟りは七代と言いますが一代を約50年と考えれば寿命が400年と言うのも少しだけうなずけます。

 しかし、怨念の強さには個人差もあり、千年以上祟り続けている幽霊もいますから、全滅してしまったわけではなさそうです。また、幽霊ではないものの「八幡の藪知らず」(千葉県市川市役所近くにある小さな公園ほどの森で、入ると祟りで二度と出られなくなると言う)のような禁足地が各地に残っています。小学生の頃、転ぶと祟られると噂になった坂道は決して通らないようにしていましたが、同じような話は全国にあるようです。結論、幽霊はデジタルに弱いと言うことらしいのですが、人々の心の闇の中にはまだまだ残っているようです。

(立入塾 周南市開作北819-7 TEL.0834-25-4553)

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