コラム・エッセイ
交通安全を願うお地蔵様
ちょこっと豆知識 立入塾山あいの国道、峠まであとわずかと言うところの脇に、かわいいお地蔵様が鎮座しています。峠を越えると穏やかな道はそれまでと打って変わってカーブが続き慎重な運転が要求されます。お地蔵様は峠を越えて行く車の安全運転を願って、車を優しく見守っているように思えます。私はここを通る度に、少し手前の空き地に車を止め、お地蔵様に手を合わせるようにしています。痛ましい交通事故が起きないようにと。
20年近く前の事だったと思います。季節や曜日はすっかり忘れてしまいましたが、天気が良かったことだけはよく憶えています。仕事が休みの私は、その国道を快適に走って目的の峠を越えて少し行った所にある温泉へ向かっていました。峠に近づき、私の目に飛び込んで来た物は点滅する赤いランプでした。近くに民家などなく、車の通りもそれほど多くない山あいの道で光る赤いランプが事故だという事はすぐに判りました。ランプの車はパトカーではなく救急車でした。救急車の他に1台の車が止まっていて、男性が何やら携帯電話で話していました。その横でストレッチャーに乗せられた若い女性が救急車の中へ運ばれている所でした。
咄嗟に車を止めて何か手助けは出来ないかとも考えましたが、何の知識もない私は逆に足手まといにならないようにと、ゆっくりとその場を通り過ぎました。ミラー越しに横の山に激突して大破した白い車を見ながら、女の子、大したことなければと願いながら峠を越えました。沢山の花が飾られたお地蔵様がそこにある事に気づいたのは、そらから半年ばかり過ぎた時でした。
先日もある幹線道路を走っていると、道脇のガードレールに花束を一心に手向けている男性を見ました。心が痛みます。ついつい慣れが出て、危険な運転になっていることを忘れてしまう事があります。自分自身だけでなく相手も傷つけてしまうのが交通事故です。春になり一層気を引き締めなくてはなりません。
(立入塾 周南市開作北819-7 TEL.0834-25-4553)
