コラム・エッセイ
アンダードッグ(負けそうな者)
ちょこっと豆知識 立入塾アンダードッグ(underdog)を辞書で調べると「負け犬」とありますが、「負けそうな者」ともあります。弱者ではありますが、まだ負けたわけではありません。今シーズンのNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)終盤、フィラデルフィア・イーグルスに対して何度もささやかれた言葉がアンダードッグでした。
今季のイーグルスは2年目の若いクオーターバック(QB:チームの中心選手)カーソン・ウェンツの大活躍によって開幕から快進撃を続けます。しかし、地区優勝が決まりかけた終盤戦でウェンツが負傷退場。けがの具合は今季絶望となる最悪の事態で、残りのリーグ戦は控えのQBニック・フォールズで挑むこととなりました。
フォールズはかつてイーグルスで活躍した選手でしたが、2015年にけがのため、他チームへ放出。移籍先のチームでも結果を残すことができず、引退を覚悟しました。そんな彼に声かけたのが古巣のイーグルスで、今季から控えのQBとしてイーグルスに復帰しました。しかしウェンツの陰で試合に出る機会はほとんどありませんでした。
イーグルスはウェンツのアクシデントも乗り越え、何とか(前半戦の貯金で)地区優勝を果たし、各地区の優勝チーム及び成績上位12チームによるトーナメント戦のプレーオフに臨みました。フォールズ率いるイーグルスに対戦相手のファンたちはアンダードッグのレッテルを張りました。確かにここ数年、全く実績のないフォールズがプレーオフで勝ち上がることは非常に厳しいものと思われました。
しかし、イーグルスはチーム一丸となって勝ち進んで行き、遂に優勝決定戦となるスーパーボウルへの出場を果たします。スーパーボウルの対戦相手は現役最強QBトム・ブレイディ率いるペイトリオッズ。誰もがアンダードッグが本当の負け犬になると予想しました。しかし、イーグルスはまたしても劇的な勝利を収め、フォールズは最優秀選手に選ばれました。
ひいきのチームは惜しくもプレーオフに進出できませんでしたが、今シーズンのイーグルスには大きな力をもらいました。アンダードッグは決して負け犬ではありません。
