コラム・エッセイ
勤勉さ(コンビニにて)
ちょこっと豆知識 立入塾コンビニエンスストアのコーヒーがおいしくなり、利用する機会が増えました。車で家路へと急いでいる時など、コンビニを見つけるとついつい車を止めてコーヒーを買い求めます。その日も車を走らせながら、冷えた身体を内側から温めたいとコンビニを探していました。
やっと見つけた店で、一目散にレジに向かうと、少しばかりの行列が出来ています。別段急いでいるわけでもなかったので、列の最後尾に並び、先客と店員のやり取りをぼんやりと眺めていました。ふと目を反対方向へ向けると、もう一人の若い男性の店員が商品を棚に並び終えてこちらに向かって歩いて来ます。先ほどよりもさらに伸びた行列の誰もが彼に注目していると、彼は列の前を通り過ぎ、店の奥へと消えて行きました。結局、一人の店員ですべての客に対応しました。
レジをすませ、セルフの機械でコーヒーをカップに注いでいると、先ほど奥に消えた店員が私服姿で出てきて、そのまま外へと出て行きました。時計を確認するとちょうど4時を過ぎたところでした。彼の仕事は4時までで、時間が来たから仕事を切り上げたのだろうと合点がいきました。
しかし私の気持ちは合点がいきません。レジ待ちしている数名の客に対応しても5分も彼の仕事時間は伸びなかったはずです。客の気持ちを考えれば、レジをすませてから仕事を切り上げてほしいものだと、勝手に私は気持ちをいらだたせました。
小学生の時、担任の先生が日本人の勤勉さについての例え話をしてくれました。「畑で作業している日本人は作業終了の合図が鳴ると、手に持った鍬(くわ)でもうひとかきするが、他の国の人は合図の瞬間、鍬を投げ出す」と。
子供心に自分も多分そうするだろうと思いました。この考え方は古いのかもしれません。いれたてのコーヒーを片手に持って歩きながら冷静に考えてみました。店員のタダ働き(数分間でも)を防げたのですから、何も自分がいらだつことはなかったのだと、暖かいコーヒーを飲みながら反省しました。
