コラム・エッセイ
カタクリの花
ちょこっと豆知識 立入塾毎年この時期になると「寂地のカタクリの花が見ごろだから、一度見に行ってごらん」と声をかけてくれていた知人が、還暦を前にして突然、ガンで亡くなったのは数年前のことでした。車関連の店を経営され、知り合ったのは20年以上前になります。調子を崩した私の車のエンジンルームを開け、自前の聴診器をエンジンに当てながらソレックス(燃料噴射装置)を調整し直し、見事に愛車を復活させてもらった出会いの日をきのうのことのようにはっきりと覚えています。
それ以来、暇を見つけてはその店に顔を出すようになりました。店での話は、季節ごとに「今ならどこどこの道を走ると気持ちが良い」と言うようなことばかりでしたが、この時期だけは、なぜかいつも車とは関係のないカタクリの花の話でした。しかし一度も花を見に行く機会はありませんでした。
初めて出かけたのは昨年のゴールデンウイーク。寂地峡近辺は何度かドライブで訪ねたことがあったので、その日もドライブついでに見て来ようという軽い気持ちで出かけ、結果から先に白状すると、カタクリの花を見ることなく帰って来ました。
花が見られるのは山頂付近で、結果、山頂まで登らないといけません。当日も小1時間ほど歩いたのですが、きちんとした準備をせずに出かけていたので、途中で引き返す羽目になってしまいました。今、リベンジを考えています。
そんな折、ネットで鹿野にある莇ケ岳から弟見山へ向かう縦走路にカタクリの花の群生があるとの情報を得ました。莇ケ岳には二度ほど登ったことがあるので、寂地山よりはハードルが少し低いと勝手に思っています。
寂地の花ではありませんが、今度の休日には莇ケ岳までカタクリの花を見に行って来たいと思います。そして、現在、父の店を継いで頑張っている知人の若い息子さんと、知人が大好きだったカタクリの花の話ができればと思っています。
