コラム・エッセイ
アト秒パルス光
ちょこっと豆知識 立入塾2023年の流行語は確か「アレ」だったと思いますが、阪神ファンではないので個人的には余り馴染みのない言葉です。むしろ、私も含めて一部の人の間では「アト」こそが最も印象に残った言葉だったのではないかと思われます。
2023年のノーベル物理学賞は「アト秒パルス光の生成に関する実験的手法」の功績が認められた3名の研究者に贈られました。アト秒パルス光とは簡単に言ってしまえば、物凄く短い時間だけ輝く光のことです。
では、どの位短い時間なのでしょうか。「アト」とは単位の接頭語(キロやミリ)の一つで、10の18乗分の一を表します。と、言われてもピンときません。単位の接頭語は1000倍ずつ変わって行きます。大きい方では1000倍がキロ(k)、小さい方は1000分の1がミリ(m)と言った感じです。ミリから更に1000分の1小さくなるとマイクロ(μ)、更にさらにナノ(n)で、ここら辺りまではどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。ナノの1000分の1がピコ(p)、そのまた1000分の1がフェムト(f)。そしてフェムトの1000分の1が、お待たせしましたアト(a)となります。
アト秒がいかに短い時間かが理解いただけたでしょうか。このような短時間発光させる技術だけでもすごい事ですが、このパルス光をカメラのストロボに応用することで、今まで見ることが出来なった電子を撮影することが可能になりました。動きが早すぎて捕らえることが出来なかった電子の動きが観測できるようになったのです。放射線の一つベータ線の正体は電子です。電子の動きが簡単に観測出来るようになれば放射線のコントロールもより容易になるかもしれません。
40年前の大ヒット映画「バックトゥザフューチャー」のセリフでギガワット(時計台に落雷した時のエネルギー)のギガが当時は馴染みが無くジゴワットと誤訳されたことは有名です。しかし、現在ではギガどころかメガを通り越してテラまで一般的な言葉となりました。将来2023年頃はアトが珍しかったと言われる時代が来るかもしれません。
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