コラム・エッセイ
いつまでたっても男の子
ちょこっと豆知識 立入塾ゴールデンウイーク後半、これと言った予定もなく家でゴロゴロと過ごしていたのですが、せめてお昼ぐらいは少し豪華なものでもと思い、近くのスーパーまで買い出しに出かけました。
お目当ての総菜コーナーには普段見かけない行楽用の美味しそうなものが色々あります。ちょうど手に取ろうとしていた総菜は一足早く高齢のおじいさんがカートに載せた買い物かごに入れてしまいました。最後の一つではなかったので焦ることなく、少し距離をおいておじいさんが立ち去るのを待ちました。
カートは連れ合いと思われるおばあさんが押していたのですが、おじいさんも一緒に押そうとカートに手を伸ばします。おじいさん多分少し目測を誤ったのでしょうか。カートを押しているおばあさんの手を思いっきり握ってしまったのです。重なる二人の手。横目で眺めていると、おばあさんは全く気にしていないのですが、おじいさんは一瞬しまったと言った顔をして、ゆっくりと手を放しました。長いこと仲良く連れ添って来たであろう二人の何とも言えない表情にすっかり癒されてしまいました。
しかし、男の子は何歳になっても男の子です。おじいさんの一瞬の表情はまさに16歳のそれでありました。その後お目当てのモノを買って駐車場に戻り、店内で急いで詰めたご馳走を車の中で詰め直しました。全開の窓から入って来る5月の風が心地よく、先ほどの事を思い出してニヤニヤしていると、隣りの軽トラに買い物を済ませた別のおじいさんが戻ってきました。
手に下げたレジ袋から、やはりお弁当と総菜を買っているのが分ります。おじいさんは軽トラに乗り込むと車内に置いてあったサングラスを掛けエンジンを始動しました。そして安全を確認したかと思うと、隣りの私もはっとするような声量で「発進。」と言って前方を指さしました。私も思わずウルトラ警備隊のオペレーターの様に「オーケー、レッツゴー。」と反応してしまいました。
すべて青空に泳ぐ鯉のぼりのせいだと思います。
