コラム・エッセイ
毎日がコロナ
随想 猫の目 吉原 雍«毎日がコロナ»
城山三郎の小説で「毎日が日曜日」というベストセラーがあった。
退職して自由になった元サラリ―ンマンが、じきに「毎日が日曜日」の日々と向き合う悲哀。
この1年3カ月、僕たちも「毎日がコロナ」の日々だったし、その悲哀は共感できる。
そんな日常の景色をタクシーに乗って眺めてみよう。運転手さんの話は簡潔で核心をついて面白い。
«タクシーにて①»
「周南で今日もコロナが出たらしいね」
「若者は遊び半分でまき散らすが、わしら年寄りはかかったら死ぬからね、恐ろしい」
「ワクチンは打ちますか?」
「注射がまだ不安定らしいね」
「熱が出たり血管が詰まったり?」
「明日から商売できんと困るから仲間は様子見てからちゅうのが多いよ」
«タクシーにて②»
「今日は暑うて夏みたいじゃね」
「朝は寒いからちょっと暖房つけたけど、昼からはお客さんから言われて冷房つけたり換気したり」
「コロナで皆さんいらついちょるから応対が大変だね」
«タクシーにて③»
「お客さんはある?」
「いや、何時間に一人じゃね、だが家におっても仕様がないから、出並んじょる」
「夜は?」
「ゼロ。会社から言われちょるみたいで、飲み客がおらん」
「店もだいぶ閉まったみたい」
「まだバタバタ増えるんじゃない?」
«タクシーにて④»
「テレビ、何か面白いのある?」
「野球が始まったからね。あとはコロナと吉本芸人ばっかり」
「そうじゃね」
「この1年で日本人の財布と頭はカラになったんじゃない?」
「外国も同じかね、それとも日本だけかね?」
«タクシーにて⑤»
「東京はまた緊急事態出たね」
「知事が、できるだけ人と会わんように、不要不急の用事は先送りにと言いよったよ」
「普通の手術も先送りにと言いよった」
「周南市じゃ、徳山大学市営化を急いで会議ばかりしよるが、それこそ不要不急じゃない?」
«今日もコロッケ、明日もコロッケ♫»
話変わって昔どこかで聞いた「今日もコロッケ」の歌を思い出した。
1917年(大正6年)頃の流行歌で「結婚できて良かったが、料理は毎日コロッケばかりでつまらない♫」
当時の日本は日露戦争時の海外借金7億円の返済で国も国民も疲弊していた。
この借金返済はなんと82年かけて1986年に終わった(麻生大臣談)。
戦争のツケを後世に回した悪例だが(笑)「毎日がコロナ」の世相と似ている気がして心配。
色々あるけど、ワクチン接種が始まって本当に良かった。コロナが一日も早く収束します様に♫
(ギャラリー三匹の猫)
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